北海道千歳市で系統用蓄電池設備が着工、再エネの普及促進へ

北海道千歳市での系統用蓄電池設備着工の通知

2023年10月、北海道千歳市において、再生可能エネルギーの普及をサポートするための系統用蓄電池設備の設置が始まりました。このプロジェクトは、四つの企業が出資して設立された「上長都ひかり蓄電合同会社」によって進められています。出資企業には、三菱HCキャピタル株式会社、三菱地所株式会社、サムスン物産株式会社、大阪ガス株式会社が名を連ねています。蓄電池施設は2027年の運転開始を目指しています。

再生可能エネルギーの利用拡大に向けた重要性

近年、再生可能エネルギーの利用が進む中で、出力変動の問題が顕在化しています。これに応える形で、蓄電池の導入が急務とされています。日本政府も系統整備を進め、電力の安定供給を実現する手段として蓄電池の推進を掲げています。この新しい設備の導入によって、電力需給の安定化が期待されており、出力25MW、容量50MWhという大規模な蓄電池が設置されます。

各社の脱炭素に向けた取り組み

このプロジェクトに参加している企業は、各々が脱炭素社会実現に向けた取り組みを行っています。三菱HCキャピタルエナジーは再生可能エネルギー事業に注力し、太陽光発電所の開発や運営を行い、675MWの発電能力を持っています。この事業は彼らにとって初の系統用蓄電池プロジェクトであり、知識と経験を活かして、再エネの利用をさらに拡大させる計画です。
三菱地所も、環境負荷低減を中心とした長期経営計画を掲げ、GHG排出削減に向けた目標を設定しています。2030年までに排出量を70％以上削減し、2050年にはネットゼロを目指しています。

グローバルな視点でのエネルギー戦略

サムスン物産は、韓国のトップ建設会社としての地位を確立しつつ、再エネの分野にも積極的に取り組んでいます。同社は太陽光、蓄電池、小型モジュール炉などの新たなエネルギーソリューションをグローバル市場で展開しており、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた体制も強化しています。

さらに、大阪ガスも「エネルギートランジション2050」を掲げており、2030年までに再エネ比率を100%にすることを目指しています。これに伴い、蓄電池を用いた電力の充放電を行い、電力市場での需給調整に寄与する考えです。

まとめ

千歳市での系統用蓄電池設備の着工は、再生可能エネルギーの未来に向けた一歩と言えるでしょう。参加企業各社がそれぞれの強みを発揮し、脱炭素社会の実現に向けて貢献する姿は、今後の日本のエネルギー政策において重要な役割を果たすと期待されています。この取り組みが再エネ普及に繋がり、持続可能な社会の形成に寄与することを願います。