長浜市と株式会社POTETO Designが協力
滋賀県の長浜市は、株式会社POTETO Designとの連携により自治体広報のデジタル化を図る実証実験を開始しました。本実験は「令和7年度長浜市第2期DX実証実験プロジェクト」の一環として行われ、全国初の取り組みとなります。市長の浅見宣義氏と代表取締役の藤田健登氏のもと、デジタル技術の活用による広報の進化を目指しています。
実施背景と現状の課題
長浜市の広報紙である「広報ながはま」は、これまで紙媒体を基にした情報提供を行ってきましたが、スマートフォンでの閲覧には可読性の問題が指摘されていました。特にPDF版が小さく、読みづらいとの声もありました。これを受けて、自治体の広報をより便利に、かつ誰にでもわかりやすくする取り組みとして、デジタル化の実証実験が決定したのです。
実証実験の内容
この実証実験では、POTETO Designが提供する「スマート広報」と「POTETO Design」のバナー制作サービスを連携させ、広報紙を自動的にスマートフォン向けの閲覧しやすいウェブ記事に変換します。具体的には、広報紙のPDFデータをOCR技術で解析し、最適化された記事を生成します。これにより、若年層や紙媒体に関心のない人々への情報提供が可能になり、全ての市民がシームレスに情報を得ることが期待されます。
期待される効果と検証
実証期間中には、市民と職員双方からのアンケートを通じて情報の可読性や満足度を検証し、LINE公式アカウントの友達数の増加傾向も追跡します。実験が成功すれば、市民サービスの向上や職員の業務負担の軽減につながるでしょう。市側はこの新しいデジタル広報の手法により、さらなる市民満足度の向上を目指しています。
市長と担当者のコメント
長浜市長の浅見氏は、「全国初の試みとなるこの実証実験を通じて、広報DXの新たな可能性を探索し、市民への情報提供をさらに改善していきたい」とコメントしています。また、長浜市未来創造部の今井氏も、「特にスマートフォンを通じての可視性向上に期待している」との意向を示しています。
POTETO Designの役割
POTETO Designは、行政機関向けのAIを活用したグラフィック制作を行う企業で、最短20分でタグラインやバナーを制作できるサービスを提供しています。今回の事業は、自治体の広報活動を一層簡便にそして効果的にするために必須とされ、さらなる導入が期待されています。
今後の展開と期待
現在、長浜市で行われるこの実証実験は、11月頃にサイトが公開される予定です。今後は、得られたデータやインサイトをもとに、全国の自治体にもこのモデルの拡大を目指していく考えです。市民の生活に根ざした、よりよい行政情報提供の実現を通じて、この実証の成功が望まれています。