WHO公認の新たな予防接種管理システム
シミックホールディングス株式会社は、COVID-19パンデミックを経て、国境を越えた人的移動を円滑に行うための新たなソリューションを提供することに成功しました。このたび、同社が開発した「パスポートを利用した予防接種管理および入国審査支援ソリューション(VICSA)」が、2024年9月9日にWHOに認定されました。即座に多くの国々での導入が期待され、国際的な交流の新たな形を生み出す可能性を秘めています。
開発の背景
2019年末から新型コロナウイルスが世界中に広がる中、多くの国がワクチン接種の記録を確認するシステムを整備しました。日本では、デジタル庁が提供するワクチン接種記録システム(VRS)を通じて、ワクチン接種証明書が発行されています。しかし、他国では独自のシステムが導入されているため、国ごとの接種証明書の互換性の無さが問題となり、入国審査時に多くの時間と手間がかかる状況が発生しました。
このような課題に対処するため、WHOは国際的なパンデミック時に共通の指針に基づくシステムの構築を求めるようになりました。これを受けて、シミックホールディングスとGVE株式会社が共同で研究開発を行い、新型の予防接種管理システムVICSAが誕生しました。
VICSAの概要
VICSAは、2つの主要なシステムで構成されています。第一のシステムは、各国携帯のワクチン接種履歴と入国条件を設定するもので、各国民のデータを統合的に管理します。第二のシステムでは、空港でパスポートを読み取り、渡航者の入出国を判定するプロセスが行われます。これにより、接種記録がもとに入国条件をスムーズに判断できる仕組みが整います。
これらの機能を活用することで、各国の国民は従来通りのパスポートを保持しながら、煩雑な入国審査を迅速に行うことができるようになります。これにより、パンデミック時にも円滑な国際的交流が可能となります。
共同研究の意義
シミックホールディングスとGVE株式会社は、技術と知識を融合させることで、このシステムの実用性と安全性を高めました。シミックは、コロナ禍に関連するワクチン接種の管理や接種証明書の発行に関する長年の実績があり、これを活かしVICSAの開発に取り組みました。一方、GVEは情報分散管理とアクセス権制御のセキュリティインフラ技術に強みを持っています。
今後の展望
今後、WHOのカタログ経由で各国政府からの問い合わせをもとに、VICSAの導入と社会実装についての検討が進められます。シミックホールディングスは、日本発の技術を通じて国際的な課題解決に向けての取り組みを推進していく方針です。
このような新たな動向が、日本だけでなく世界中での安全な人の移動を支える基盤となることが期待されています。