日本ブランド価値ランキング2025発表の概要
インターブランドジャパンが毎年行う「Best Japan Brands」ランキングが2025年度版として発表されました。このランキングは、日本国内のブランドに焦点を当て、その価値を金額換算した独自の手法を用いています。今年で17回目の発表となり、ブランドの価値が前年よりも7.7%の成長を見せたことは喜ばしいニュースです。これによって、日本のトップ100ブランド全体のブランド価値総額は3,142億ドルに達しました。
明暗が分かれたブランドたち
ことしのランキングでは、前年比で20%を超える成長を遂げたブランドが8つを数え、2桁成長のブランドが24に達しました。一方で、成長が見られなかったブランドもあり、逆に二桁のマイナス成長を経験したブランドも8つ存在しています。このように、明暗がはっきりと分かれる結果となりました。
不動の地位を築いているトヨタが、17年連続で第1位を保持し続けたことは注目に値します。また、ASICSは前年比28%の成長を見せ、トップ成長ブランドの地位を誇示しました。その他にも、Tokyo ElectronやITOCHU、Don Quijote、SBI、ANA、Marugame Seimenなど、6つの新たなブランドがランキングに初めて名を連ねています。
ブランドが成長を遂げた背景
成長が見られたブランドの共通点は、社会価値と経済価値の両立を重視し、顧客やステークホルダーとの共創を促進する姿勢です。企業が持つブランドの強度を高めるために、俊敏さや愛着度、共感力を育む努力が重要視されています。これらの要素に注力することで、消費者との絆を深め、より良いブランド価値を創出しています。
新しい価値観を追求する時代
近年、社会は不確実性が増しており、政治やメディアへの信頼が揺らいでいる状況です。これに伴い、企業は消費者と直接向き合い、共に未来を構想する姿勢が求められています。この新しい「ヒューマン・セントリック」のアプローチを持つブランドが、今後の成長を牽引していくでしょう。
トップ成長ブランドの詳細
ASICS
ASICSは、健全な心と身体をサポートすることに重点を置き、スポーツテクノロジーを通じて質の高いライフスタイルを提供するというビジョンを掲げています。「中期経営計画2026」を通じて、さらにグローバルかつデジタルな展開を進めています。
Mitsui Fudosan
新たな経営理念「& INNOVATION 2030」を策定し、地域づくりや社会課題の解決に向けた積極的な取り組みを展開しています。
Recruit
新たな価値の創造を通じて、個人の輝きと社会全体の豊かさを目指しています。AI技術の活用により、柔軟かつ迅速に変化する市場に対応しています。
Hitachi
「社会イノベーション事業」を推進し、お客様と共に社会課題を解決する取り組みを進行中です。デジタルやグリーン化にも力を入れています。
ORIX
2024年に向けて、グローバルビジネスの拡大に注力し、ブランドの存在意義を再定義しました。
新たにランキング入りしたブランド
新たにTOP100にランクインしたTokyo Electronなどは、日本からの技術革新を支えるブランドとして期待されています。各ブランドがどのように成長し、業界全体に影響を与えていくのか、今後の動向が注目です。
まとめ
「Best Japan Brands 2025」の結果は、ブランド戦略の裾野が広がるだけでなく、消費者との新しい関係構築の重要性を改めて認識させてくれます。変化する社会において、顧客の心をつかむブランドだけが、これからの市場での競争に勝ち残ることでしょう。今後も新たな価値創造を求める企業の挑戦に注目したいと思います。