ウィーメックスが提案する新しい未来
ウィーメックス株式会社は、2023年9月2日に「生成AI薬歴入力支援サービス」を正式に提供開始しました。このサービスは、薬剤師と患者との服薬指導時における会話を元に、生成AIが自動で薬歴を記入することを目的としています。これにより、薬剤師の膨大な業務の一部を効率化し、より多くの時間を患者に費やすことが可能になります。
時間改革の背景
薬剤師が薬歴を入力するために要する時間は、1日平均で約1時間25分とされ、その負担は深刻です。ウィーメックスが実施した調査によると、70%もの薬剤師が服薬指導の内容をメモし、後にその内容を基に薬歴を入力しています。薬局の業務が多忙なため、薬歴の入力が閉局後に行われるケースも多く、これは薬剤師の残業時間を増加させる要因となっています。
このような時間的余裕の無さを解消するため、ウィーメックスは昨年からOpenAIの「GPT-3.5」と音声認識AIを利用したシステムの開発に乗り出しました。2024年5月にはトライアル利用を通じて機能改善を行い、今回の正式なサービススタートに至りました。
生成AI薬歴入力支援サービスの特長
この新サービスには、いくつかの特長があります。まず、服薬指導中に録音した音声が数十秒でSOAP形式のテキストに変換されます。更に、テキスト生成は「即時」または「後から」の選択が可能で、混雑時には後から選択することで次の患者の指導に支障をきたすことなく進めることができます。これにより、患者の待ち時間を短縮することができます。
また、毎回の服薬指導データは蓄積されるため、隙間時間を利用して確認や編集を行い、そのまま薬歴システムに転記することも簡単に行えるようになっています。さらに、電子カルテに匹敵するセキュリティ環境でデータが管理されており、安全面でも安心です。
高橋社長のビジョン
ウィーメックスの代表取締役社長、高橋秀明氏は、同社が医事コンピューターを国内で初めて販売した長い歴史を持つ企業であることを誇りに思っています。彼は、「生成AI薬歴入力支援サービス」の開発を通じて、得られたデータと経験を活かし、高精度なAIシステムを市場に提供できることを嬉しく思っています。サービスの導入により、薬剤師がより多くの時間を患者との対話に費やすことができるようになると信じています。
マイクロソフトとの連携
ウィーメックスは日本マイクロソフトとの連携のもと、技術的な支援を受けながらこのサービスを開発しました。マイクロソフトはこのプロジェクトが薬剤師の業務効率化や残業時間の削減に向けた重要なステップであると評価し、引き続き支援していくことを表明しています。
総まとめ
ウィーメックスの「生成AI薬歴入力支援サービス」は、薬剤師の業務を効率化するための新たな一歩です。今後の展開が期待され、ヘルスケア業界にとって重要な革新となることでしょう。