花火の物語「白菊」
2025-07-24 08:19:27

創造力と鎮魂が織りなす花火の物語「白菊」

創造力と鎮魂が織りなす花火の物語「白菊」



日本の三大花火の一つ、長岡花火。中でも「白菊」という名の花火は、深い意味を持つ純白の閃光であり、心の中に残る情景を描き出しています。この「白菊」を生んだのは、伝説の花火師である嘉瀬誠次氏です。彼の生涯と、彼が打ち上げた花火がどのように戦後の日本、そしてロシアとの間に新たな絆を築いたのか、多くの人々に感動を与えています。

2025年7月28日、株式会社河出書房新社から発売予定の書籍『鎮魂の花火「白菊」長岡の花火がつなぐシベリアと真珠湾』では、嘉瀬誠次氏の生涯に迫り、彼の花火を通じた鎮魂の物語を描いています。この書籍は、山崎まゆみ氏によって書かれたノンフィクションで、嘉瀬氏が抱いていた思い、そして彼が打ち上げた「白菊」がもたらした影響を訪ねています。

嘉瀬誠次氏は1922年に長岡の花火師の家に生まれました。彼は徴兵され戦争に巻き込まれ、その結果としてシベリアに抑留されることに。敵味方を超えた友情と、人々の優しさに触れた彼の心には、仲間たちへの思いが募る一方でした。「帰国できなかった仲間のために鎮魂の花火を上げたい」と、彼が自身の名を残そうと奮闘する姿は、多くの人に感銘を与えます。

1984年にはロサンゼルス五輪の閉会式で初の花火の打ち上げを行い、その後、1990年にはアムール川のほとりで「白菊」を打ち上げる機会を得ました。「白菊」は、戦友たちへの想いを形にした特別な花火であり、彼の人生における一大イベントとなりました。このプロジェクトは困難を伴ったものでしたが、NHK新潟や民間企業、地元自治体の協力を得て実現しました。彼が打ち上げた「白菊」は、現地の市民の心を打ち、まさに日本とロシアを結ぶ架け橋となったのです。

2015年には、戦後70年の記念すべき節目に、ハバロフスクから真珠湾に向けて「白菊」が打ち上げられ、米国の戦没者、日本の戦没者、そしてすべての人々の平和を祈る想いがこめられました。「白菊」は、岡山の空に美しく咲き誇り、その美しさと共に多くの人々の心に新たな希望の光をもたらしました。

本書では、嘉瀬誠次氏の経験だけでなく、彼の花火を通じて多くの人が感じた感情や叡智にも焦点を当てています。彼の仕事、仲間への想い、そして平和への願いは、時代を越えて今も私たちの心に響いているのです。

目次


  • - プロローグ 長岡花火と伝説の花火師
  • - 第一章 アムール川に咲いた「鎮魂の花」1990年、ハバロフスク
  • - 第二章 花火師とシベリア抑留 1945年、極寒のシベリア
  • - 第三章 嘉瀬の偉業を追って 2013年冬、ハバロフスク
  • - 第四章 伝説の花火師・嘉瀬誠次の仕事 1949年〜2012年、盛夏の長岡
  • - 第五章 それからの花火「白菊」2015年(戦後70年)、真珠湾
  • - エピローグ 嘉瀬さんと私

このストーリーは、ただの花火の話ではありません。人々の心をつなぎ、未来の平和を願う物語です。私たちは嘉瀬誠次氏の生涯を通じて、戦争の悲しみを乗り越え、希望の光を見出す大切さを学ぶことができるでしょう。


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会社名
河出書房新社
住所
東京都新宿区東五軒町2-13
電話番号
03-3404-1201

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