佐々木柚榎さん、日本代表に選出
大阪府立北野高等学校の2年生、佐々木柚榎さんが2025年に開催される国際原子力科学オリンピック、日本代表に選ばれたことが話題となっています。彼女は、2024年に第1回大会がフィリピンで開催され、14か国から55名が参加する中、今回の大会で日本を代表する4名の一人として選出されたのです。
国際原子力科学オリンピック(INSO)とは
このオリンピックは、20歳未満の学生を対象とし、原子力科学や放射線技術に注目したコンテストです。コンテストは、筆記試験、実験課題、そして施設見学を含む多岐にわたる活動で構成されており、参加者は知識と技能を競います。
探究活動の始まり
佐々木さんの探究は中学1年生の時から始まりました。特に宇宙線に関連する研究に注力し、宇宙線の強度と宇宙天気の相関についての研究を進めてきました。具体的には、自宅で宇宙線を測定し、アメリカ海洋大気庁の衛星データや気象庁の地磁気観測データを活用して研究を行いました。
研究の発表
さらに、2022年には超異分野学会の大阪大会で、宇宙線の到来頻度と地磁気に関する研究成果を発表し、多くの注目を集めました。このような活動を通じて、彼女の研究への情熱が育まれていったのです。
放射線撮像への取り組み
中学3年生以降は、大阪大学のSEEDSプログラムの支援も受け、放射線によるシンチレーションの発光を市販のカメラで撮像する実験に取り組んでいます。同行のハイスクールラジエーションクラスではその成果が評価され、優秀賞も受賞しました。この実験では、様々な放射線のエネルギーを市販のカメラで推定することに挑戦しています。
高校での国際的な成功
高校1年生では、「Sakura Particles」としてCERNのBeamline for Schoolsという国際加速器実験提案コンテストで最優秀賞を受賞しました。このコンテストでは宇宙線トラッカーの設計が認められ、これに基づいてスイスのCERNでのビーム実験が行われました。現在、この成果はまだ解析中ですが、今後の論文投稿が期待されています。
今後の展望
佐々木さんのこれまでの活動が評価され、大阪府教育庁による表敬訪問も予定されています。これらの経験は、彼女の放射線と素粒子科学に対する興味をさらに深めており、次世代の研究者としての素地を培っています。彼女の挑戦は、将来の日本の科学界にどのような影響を与えるのか楽しみですね。
支援の背景
加速キッチン合同会社では、彼女のように素粒子探究に興味を持つ中高生を支援しています。さまざまな宇宙線検出器を貸与し、オンラインでの探究サポートを無償で行っています。興味のある方は、ぜひその活動に参加してみてください。
最後に、佐々木さんの成功を共に祝うとともに、今後の活躍を心から期待しています。