万博と経済動向
2025-11-27 11:04:59

大阪・関西万博の影響を探る:経済動向と企業の反応

大阪・関西万博の経済影響を探る



2025年に開催された「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)は、多くの来場者を集め、地域経済に大きな影響を与えたと広く評価されています。その後の調査によると、万博の経済効果がどのように現れたのかが明らかになっています。リスクモンスター株式会社が実施した「大阪・関西万博による景気動向」調査の結果をご紹介します。

調査の背景



この万博は1970年以来、半世紀ぶりに大阪で開催されるもので、約6か月の間続きました。イベントの閉幕後、975社を対象にした調査が実施され、万博が各企業の業績にどのように影響を与えたかが探られました。

自社業績への影響



調査結果では、自己の業績に「変化なし」と答えた企業が55.3%に達しました。良化として回答したのは37.0%で、特に大阪府内の企業では42.3%が業績の向上を報告しています。他方、悪化を感じた企業も一定数存在しましたが、大阪府以外の企業に比べると少数でした。このことから、万博開催を通じて得られた成功の裾野が広がっていることが伺えます。

売上高規模別の分析



興味深い点は、売上高が大きい企業ほど「良化」と回答する比率が高いということです。具体的には、「5億円以上」の企業では58.8%、「50億円以上」になると78.1%に上昇しました。この結果は、大企業が万博関連事業と強い結びつきを持ち、経済的利益を享受しやすいことを示唆しています。

業種別の影響



業種別の分析では、特に「サービス業」、「建設業」、「小売業」で良化の回答が多く見られました。サービス業では万博来場者によって消費が拡大し、売上が向上したことが功を奏しました。また建設業では、万博開催に伴うインフラ整備や新しい施設の建設需要が業績向上に寄与したと考えられています。一方で、卸売業では逆に悪化の回答が多く、一部の企業には影響が出たことも浮き彫りとなりました。

今後の見通し



調査における景気見通しについては、73.3%の企業が「変化なし」と回答し、良化と答えた企業は12.3%にとどまりました。業績が良化した企業の中でも、約2割が景気見通しも良化と見ている一方で、業績が悪化した企業の過半数は将来に対して不安を抱いていることが分かりました。

総評



大阪・関西万博の開催は、多くの来場者を呼び込み、地域経済に一定の好影響を与えたと評価できます。しかし、その恩恵はすべての企業に平等に及んだわけではなく、特定の業種や大規模企業に偏る結果となりました。今後の課題として、万博による成功の陰で生じた企業間の格差をどう解消するかが求められます。特に、万博跡地には統合型リゾート(IR)が計画されており、地域全体に経済的な恩恵が広がることが期待されます。


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会社情報

会社名
リスクモンスター株式会社
住所
東京都中央区日本橋2-16-5RMGビル
電話番号
03-6214-0350

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