高齢者向けがん情報サイト「オンコロforシニア」が新たに誕生
2023年7月17日、メルクバイオファーマ株式会社と3Hメディソリューション株式会社が65歳以上の高齢者を対象としたがん情報サイト「オンコロforシニア」を新しく開設しました。このサイトは、がん患者やその家族にとっての協働意思決定(SDM)の理解を深めることを目指しています。
「オンコロforシニア」は、がん治療に関する情報を高齢者にわかりやすく提供し、患者と医療者とのコミュニケーションを円滑にするために作られました。日本ではがんにかかる高齢者が増加しており、彼らに特有のニーズに応えることが不可欠となっています。メルクはこの現状を理解し、高齢者向けに特化した情報提供を行うことにしました。
サイトの特徴
「オンコロforシニア」では、専門医による解説やがん治療の体験者の声を交え、医学情報を簡潔に伝える工夫が施されています。特に、専門用語を極力排除し、視覚的にも閲覧しやすい設計がなされています。大きな文字やゆっくりとしたナレーションを採用し、高齢者に配慮した内容になっています。
また、協働意思決定(SDM)のコンセプトを理解するための周辺知識を専門医から学ぶことができ、患者と医療者がより良い治療方法を一緒に選ぶためのサポートも行っています。近畿大学病院のがんセンター長、中川和彦先生がコメンテーターとして参加し、シニア世代に寄り添った情報を提供しています。
2025年中には、協働意思決定に関連するテーマを扱ったコンテンツを4回に分けて公開する予定です。第1回では、「がん治療の選び方」をテーマに、日本医科大学武蔵小杉病院の勝俣範之教授をゲストに迎え、重要なポイントを解説しました。
メルクと3Hメディソリューションの取り組み
メルクバイオファーマの社長、ジェレミー・グロサス氏は、患者さんの声を基にしたアプローチが重要であると強調しています。「私たちは、患者さんのQOL向上をサポートするためにこのプロジェクトを立ち上げました。患者さんが医療者と協力し、自分に合った治療を選べることが、より良い結果につながると信じています」と述べています。
一方、3Hメディソリューションの代表取締役滝澤宏隆氏は、がんに関する情報提供の重要性を語りました。「高齢化が進む日本で、医療情報のわかりにくさが大きな課題です。『オンコロforシニア』を通じて、情報格差を埋め、高齢者が安心して治療に取り組める社会を作っていきたい」と語っています。
まとめ
「オンコロforシニア」は、高齢者に特化したがん情報を提供することで、患者と医療者のより良いコミュニケーションを促進し、患者主導の医療を実現するための大きな一歩です。メルクと3Hメディソリューションは、これからも一緒に高齢がん患者を支える取り組みを深化させていくでしょう。今後の展開にも期待が寄せられています。