Rightwareが発表した次世代コックピットHMIツールKanzi Oneの全貌

Rightwareが新たに提供するKanzi Oneの特長

2021年9月7日、ドイツ・ミュンヘンでRightwareが次世代のインテリジェントコックピットを実現するHMIツール「Kanzi One」を発表しました。本製品は業界で唯一、Androidとの完全互換性を実現しています。

Kanzi Oneは、自動車メーカーが独自のユーザーインターフェースを迅速かつ効率的に開発する手助けをする革新的なツールです。RightwareのCEOであるFreddie Geier氏は、Kanzi Oneが自動車業界にとっての大きな変革となると語り、自動車メーカーは自社ブランドの特徴を際立たせながら、迅速にUIを設計できるとしています。

Kanzi Oneの機能と利点

Kanzi Oneは、従来の開発手法に比べ、短期間で、少人数のチームで、高度なユーザーエクスペリエンスを提供します。具体的には、Kanzi Studio、Kanzi Engine、Kanzi Connect、Kanzi Mapsなどを組み合わせたオールインワンのツールチェーンにより、必要な機能を全て網羅しています。

新たに導入されたKanzi VR機能により、ユーザーは物理的なデバイスがなくてもデザインのテストや検証が行えます。これにより、プロトタイプ作成から実際の車載UX検証までのプロセスを一貫して同じツールで完了できます。

物理ベースのハイダイナミックレンジレンダリング

Kanzi Oneでは、物理ベースのHDRレンダリングにより、リアルなビジュアル表現が可能です。これにより、デザイナーは細部にこだわった美しいビジュアルを作成できるようになっています。また、多様な3Dフォーマットにも対応し、自由にサードパーティ製モデルを使用できます。

Androidとの高度な統合

Kanzi Oneでは、AndroidOSとの高度な統合が図られています。これによって、開発者は自身の好みのツールやプログラミング言語を用いて、コーディングの手間を大幅に削減できるようになりました。RightwareのCTOであるJussi Lehtinen氏は、この点がKanzi Oneの大きな強みであると強調しています。

効率的な開発環境

UIが複雑化する中で、Kanzi Oneは新しいアクティビティ機能を導入し、UIの状態管理やリソース処理を向上させました。これにより、大規模なHMIプロジェクトをいくつかの小さなパーツに分割し、チーム全体で効果的に協力しながら開発することが可能になりました。これにより、メモリ使用量やCPU負荷の軽減、総読み込み時間の短縮といった効率化が実現します。

Kanzi Oneの今後

Kanzi Oneのパブリックベータプログラムは、2021年9月15日から開始され、正式な発売は2022年1月のCESで行われる予定です。自動車メーカーや開発者にとって、このツールは今後のインテリジェントコックピット設計において重要な役割を果たすことが期待されています。興味のある方は、RightwareやThundersoftにお問い合わせください。

Kanzi Oneは、未来の自動車向けインターフェースの創造をサポートする革新的なプラットフォームです。自動車のUI開発を加速させるこのツールの登場は、業界にどのような影響を与えるのか、今後が楽しみです。