豆富の染野屋、進化する移動販売の形
江戸時代の1862年に創業した老舗の豆富屋、株式会社染野屋は、時代のニーズを捉えた移動販売車「デパチカー」を展開しています。この新たな売り方は、まさに“走るデパ地下”を目指しており、顧客に高品質な商品を直接提供するという新しいスタイルを提供しています。
デパチカーの進化
最近の動向として、移動販売車の商品数が前年から増加し、2025年にはなんと151品を誇ることとなりました。この多様な商品ラインナップは、豆富からスイーツ、惣菜まで幅広く、特に人気を集めています。2025年の秋には「北海道フェア」が実施され、完売商品が続出するなど、大きな注目を浴びました。
増加する顧客満足度
商品の充実に伴い、顧客単価も着実に向上しています。2015年には335円だった単価が、2025年には899円にまで達しました。このような成長を支えたのは、豆富以外の食品を大幅に拡充した結果であり、商品数とともに顧客満足度の向上が確認されています。顧客からは、「まるでデパ地下のようで、とても楽しめる」「豆富以外の品揃えがこんなに多いとは知らなかった」といった嬉しい声が寄せられています。
現代の中食市場の躍進
中食市場、つまり惣菜や即席食品の需要が高まる中で、染野屋のデパチカーは非常に適したサービスです。2023年度の惣菜市場規模は過去最高の10兆9,827億円に達し、百貨店の果たす役割の重要性も増しています。デパチカーはこの流れを体現するかたちで、顧客に「選ぶ楽しさ」と「発見のある体験」を届けています。
ブランドの展開と地域性
今後、九州・沖縄、東北などの地域フェアについても計画されており、その展開がますます楽しみです。地域性豊かな商品を通じて、選ぶ楽しさを体感しながら、品質にこだわった物を提供し続けることが染野屋の目指す方向性です。
代表取締役の小野篤人氏は、「私たちが届けたいのは、単なる商品ではなく、選ぶことの楽しさと安心できる食の体験です」と語っています。これからも「デパチカー」は成長を続け、百貨店に匹敵する品質の接客を目指すとともに、地域社会とのつながりを大切にしていくことでしょう。
会社概要
- - 名称: 株式会社染野屋
- - 代表者: 代表取締役社長兼CEO 八代目染野屋半次郎、小野 篤人
- - 所在地:
- 東京ヘッドオフィス: 東京都千代田区丸の内2-2-1
- 本店: 茨城県取手市東2-1-32
染野屋の新しい挑戦は、ただの商品提供に留まらず、豊かな食文化の発信にも貢献しています。都市生活者に喜ばれる食品の選択肢を提供することで、更なる成長が期待されることでしょう。