印刷技術で未来を切り拓く！クラ工業の挑戦と足立ブランド

印刷技術で未来を切り拓く！有限会社クラ工業の挑戦

地域密着型の企業として、有限会社クラ工業は印刷業務を通じて地域の未来を支える取り組みを行っています。この会社の代表取締役である矢内克浩氏は、父の会社と自身の勤務先が倒産するという試練を乗り越え、独自の印刷技術を確立しました。彼の技術はシリコンゴムの印刷や再帰反射印刷など、多岐にわたります。

職人技が生み出す多彩な印刷の世界

クラ工業が手がける印刷は、一般的な紙への印刷にとどまりません。ガラスや木材、鉄製品に加え、難易度の高いシリコンゴムへの印刷も行っています。シリコンゴムの特殊な特性により、印刷は難儀を伴いますが、高度な技術によってこれに挑んでいます。

「印刷後は200度で焼き付ける必要があります。特に印刷に使用する副資材の管理が非常に重要です」と矢内氏。彼の手は常に色とりどりのインクで染まっています。

同社では、スクリーン印刷、パッド印刷、UVインクジェット印刷の3つの技術を駆使し、様々な素材に対応した製品作りを行っています。「これを作ってほしい」という企業のニーズに応じて、最適な印刷方法を選択することが可能です。

幾多の試練を乗り越えて

矢内氏の印刷業界への道は決して平坦ではありませんでした。高校卒業後、父の会社に就職しますが、バブル崩壊により倒産。その後も印刷業で経験を積むも、再び勤め先が倒産しました。この試練が、彼を起業へと駆り立てるきっかけとなりました。2004年に有限会社クラ工業を創業し、自身の印刷技術を生かした製品作りに没頭することになります。

創業からの道のりは順調ではありませんでしたが、特に大きな試練だったのが携帯電話ボタンの需要が激減した2011年でした。それでも、印刷事業の拡大を図り、厳しい時期を乗り越えてきました。東京における震災もまた、会社を脅かす試練の一つでしたが、苦境を乗り越え新たな道を模索しました。

地域に根ざした経営と足立ブランドへの取り組み

独自の印刷技術が評価され、クラ工業は「足立ブランド」に認定されました。「足立ブランド」は、地域の優れた製品や技術を発信するための取り組みであり、クラ工業もこの活動に参加することで、地域活性化を目指しています。現在、足立区生物園とのコラボレーション商品も展開しており、再帰反射印刷を活用したオリジナルグッズが好評を得ています。

最近では、夜道で光るお散歩バッグを開発し、犬の散歩をする際の安全を提供するなど、地域のニーズに応えた商品開発を進めています。これからの展開として、ペットサロン向けの新商品の開発も予定しています。

矢内氏は「足立ブランド」の知名度向上に向けてこれからも貢献していく意欲を示しており、地域に根ざした経営を続けていく決意を固めています。彼の言葉には自らの経験を通じて得た力強いメッセージがあります。「やる気さえあれば、誠実に取り組むことで必ず道は開ける」と。

まとめ

有限会社クラ工業は、印刷の技術を通じて地域との絆を深め、未来を切り拓く力を実感しています。「舎人公園千本桜まつり」への出展を通じて、その思いを地域の皆さんと共有し、安全で魅力的な商品を提供していく姿勢は、地域貢献の新たなモデルと言えるでしょう。みんなの笑顔のため、これからも技術と誠実さを以て成長を続けていくことを願ってやみません。