糀のリキュール「Me」—伝統の中から新たな魅力を発見
東京都千代田区に本拠を置く、有限会社神田豊島屋が製造する糀のリキュール「Me」。この革新的なリキュールが、最近開催された「ICC サミット KYOTO 2025 SAKE AWARD」で4位に入賞したことが話題となっています。これは「みりん」としては初の出場であり、古来からの日本の飲み物としての新たな道を切り開くものとされています。
ICC SAKE AWARDの特異性
「ICC SAKE AWARD」は、ただの香味評価の大会ではなく、その裏に込められた製造者の思いや文化的背景をじっくりとプレゼンテーションし、総合的な力を競うトーナメント形式の大会です。この大会では、日本酒や焼酎、リキュールなど多様なジャンルが集まり、大手メーカーや有名酒蔵がしのぎを削ります。その中でも神田豊島屋は、「Me」を軸にした独自のカクテルを展示することで多くの注目を集めました。
カクテルの多彩な表情
展示されたカクテルには、日本で最古とされる「柳蔭ハイボール」や、世界的に人気のある「Old Fashioned」を再構成した「Oh! 江戸 Fashioned」、さらには昨年のICC受賞作品である「みなべクラフト梅酒」とのコラボ楽しむ「U&Me」が含まれます。「柳蔭」は、江戸時代から続く飲み方であり、焼酎とみりんを1対1で混ぜたもの。これを現代風にアレンジし、参加者に新たな体験を提供しました。
入賞の背景と今後の展望
4位入賞を果たした神田豊島屋は、強豪がひしめく中での快挙に喜びながらも、次の一歩を踏み出す準備をしています。「みりんが飲み物として通じる可能性を示す確かな手応えを得た」と述べた会社代表の木村倫太郎氏は、今後「Me」を通じて全国そして国際的にこの文化を発信していく意向を示しました。今回の挑戦により得た成果を、製品の品質向上や文化的価値の継承に役立てていくと言います。
伝統の再解釈
神田豊島屋は、1596年に創業し、江戸時代から続く歴史ある酒舗です。「Me」は、みりんを甘味酒として再構築し、砂糖や糖類を使用せず、自然な甘味を持つリキュールとして現代人に寄り添っています。血糖値の上昇を抑え、滋養効果を持つこのリキュールは、懐かしさを感じさせながらも新たな魅力を提供しています。これにより、神田豊島屋は今までの枠を超えて、新たなニーズや市場に応えているのです。
受賞歴
「Me」は、世界三大酒類コンペティションでメダルを獲得した初の本みりんとしての栄光を持っています。2022年にはIWSCで銀賞、SFWSCでも銀賞、ISCでも銀賞を受賞しました。この結果は、神田豊島屋の挑戦の成果であり、みりん文化の新たな変革を象徴するものです。
まとめ
神田豊島屋の「Me」は、古来の文化を現代的に再構築したもので、多くの人々に飲み物としての新しい価値を提供しています。今後の展開に期待が寄せられ、多くの支持を集めるに違いありません。今後もこのリキュールを通じて、日本の伝統と文化を広めていく神田豊島屋に注目です。