自動運転トラックに革命的な一歩
2023年、T2株式会社と三菱地所株式会社が手を組み、物流施設内での自動運転トラックによる「建物内走行」の実証実験を開始しました。これは、国内における初の試みとして注目を集めています。両社は2025年7月より、東京都大田区の東京流通センターにおいて、最新の技術を駆使した実証を行い、2027年を見据えたレベル4の自動運転トラックによる幹線輸送の実現を目指しています。
自動運転トラックは、物流業界において重要な役割を果たすことが期待されています。特に、労働力不足や配送効率の向上が求められる現在、T2のレベル4自動運転トラックが解決策となるでしょう。これにより、運転手を必要としない高効率な輸送が実現し、物流のイノベーションを加速させることが見込まれています。
実証実験の内容と目的
本実証プロジェクトでは、物流施設内での運行における位置推定の精度を高めるため、GnSS情報の受信が困難となる屋内環境での新しい技術的アプローチが必要です。東京流通センターの高精度な3次元データと、T2のトラックに搭載されたLiDARを用いて、自己位置の精密な推定を行うことが課題として設定されています。
実証は、まずレベル2自動運転トラックを使用し、同一フロア上での直進走行からスタートし、その後2026年には複数のフロアを跨いだ走行やバースでの発着も可能にする技術的検証を進める計画です。この取り組みは、将来的にはより多くの荷物を効率的に移動するための基盤作りに貢献するでしょう。
持続可能な物流の実現
三菱地所は、全国で基幹物流施設の開発を推進しており、高速道路ICに直接接続した次世代基幹物流施設を立ち上げています。これにより、T2の自動運転トラックを活動させるための重要な出発点が整いつつあります。さらなる技術進化が期待できる中、両社は無人状態でのトラック運行による物流の効率化を目指しています。これが実現すれば、持続可能な物流体制が構築され、減少する環境負荷に対する解決策となるでしょう。
今後の展望
T2と三菱地所のパートナーシップは、単なる実証実験に留まらず、物流業界全体に影響を与える可能性を秘めています。両社は、2023年6月に資本業務提携を結び、この取り組みをさらに進めるための基盤を確保しました。物流技術の向上、持続可能な輸配送の実現、および環境への配慮が求められる今の時代に、彼らの努力がどのように結実するのか、今後の動向に注目です。
T2と三菱地所は、共に自動運転トラックが将来の重要な交通手段となると確信し、さらなる実証研究や技術開発に取り組んでいます。彼らの挑戦は、業界全体を変革するきっかけとなるかもしれません。