放射線治療用AI機器開発のアイラトが資金調達を完了し未来へ向けた挑戦を続ける

アイラト株式会社が放射線治療用AI機器の開発資金を調達

がん治療の最前線に立つアイラト株式会社（宮城県仙台市）は、このたびプレシリーズAのファーストクローズにて、4.6億円の資金調達を成功裏に終えたことを発表しました。この資金は、同社が独自に開発した放射線治療計画AIソフトのさらなる進化と、国内外への事業展開に利用される予定です。

4.6億円の資金調達の詳細

本ラウンドには、既存の投資家である地域と人と未来株式会社、GxPartners LLPなどに加え、ニッセイ・キャピタル株式会社、住友商事株式会社、七十七キャピタル株式会社という新たなパートナーも参画しています。これにより、アイラトの累計資金調達額は5.8億円に達しました。

資金の用途

調達した資金は、事業のさらなる発展と製品の高度化に加え、組織的な基盤を強固にするために使用されます。特に、AIによる放射線治療計画の自動化を推進し、精度の向上を図ることで、治療を受ける患者への負担を軽減する狙いがあります。

放射線治療の現状とアイラトの目指す未来

放射線治療は、がん治療の中でも患者に優しい選択肢ですが、治療計画の策定や治療成績には多くの課題があります。特に経験に依存した医療スタッフの不足や、治療成績のばらつきが課題とされています。アイラトは、これらの課題解決のために、AIを活用し尽くすことで、すべてのがん患者を救うことをミッションに掲げています。

AIによる治療計画の革新

アイラトの開発した放射線治療計画AIソフトは、腫瘍や正常な組織の輪郭を自動的に抽出し、照射領域の決定までを迅速に行うことが可能です。従来は6時間かかっていた作業が、わずか10～20分で完了します。この効率化により、放射線治療の質の向上とともに、医療現場の負担軽減につながります。

投資家からの期待の声

本ラウンドのリード投資家であるニッセイ・キャピタル株式会社の笠井智之氏は、「がん治療におけるIMRTの普及が進んでいない日本で、アイラトの技術がその課題解決に貢献するだろう」と期待を寄せています。また、住友商事の石橋氏や七十七キャピタルの今野氏も、幅広い協力を通じてアイラトの成長を支援する姿勢を示しています。