船舶通信システムの新時代—国際海事機関の具体的な提案内容を解説

船舶通信システムの新時代—国際海事機関の提案内容



令和7年5月23日、国際海事機関(IMO)の第12回航行安全・無線通信・捜索救助小委員会(以下、NCSR 12)が開催され、船舶通信の革新に関する重要な会合が行われました。この会合では、船舶の通信システムを新たに構築するための改正案がまとめられ、特にVHFデータ交換システム(VDES)の導入について議論の中心となりました。

VDESの導入とは?



VDESは、船舶自動識別装置(AIS)に新たな機能を付加したもので、船同士の情報交換が可能です。これにより、航行の安全性が大幅に向上すると期待されています。実際、今回の会合では、VDESをAISと併用するためのSOLAS条約附属書第Ⅴ章に関する改正案が合意されました。これには、VDESの性能基準の策定も含まれています。

この改正案は、今後、海上安全委員会(MSC)の承認を受け、2028年1月1日に発効する見込みです。この新しい通信システムの導入は、船舶が今まで以上に効率的かつ安全に運航できることを意図しています。

電子海図情報の活用



また、もう一つの話題として、水路データの新しい国際規格であるS-100に基づいて生成される電子海図情報があり、これには航行警報や潮汐情報などが含まれます。特に、航行の際に必要な情報を一つの画面で表示できるため、船舶に搭載された電子海図装置(ECDIS)を通じた利用が期待されています。

最近の会合では、S-100規格の活用に向けたインターネット通信の枠組みと、サイバーセキュリティ対策に関するガイダンスが議論されました。これにより、ユーザーが過剰情報に混乱しないように配慮されています。また、電子航海刊行物(ENP)の利用に関するガイドラインも合意されており、今後の実際の運航にどのように活用されるかが注目されています。

まとめ



今回のNCSR 12は、船舶通信の未来に向けた重要な一歩となる会合でした。新しいシステムの導入によって、航行の安全性が向上し、海上での事故を減少させる期待が高まっています。国際海事機関は、安全で持続可能な海運を実現するために、今後もさまざまな取り組みを続けていくでしょう。これからの海事分野における新しい技術や規則の導入に注目していきたいと思います。

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