タイで変革人材を育成するための調査結果を発表
Mediator株式会社は、海外産業人材育成協会(AOTS)バンコク事務所から委託を受け、「日タイ共創促進のためのビジネスリーダー創出に関する基礎調査」を行い、2024年から2025年にかけて調査を実施しました。この調査は、タイでの新しい挑戦をリードする「変革人材」に焦点を当てて行われ、その結果が公開されました。
調査の背景
日本とタイの間には、長い歴史を持つ強固な経済関係があります。特に、日本企業は製造業を中心にタイを重要な生産拠点として活用し、世界市場での成長を支えてきました。しかし、近年では中国や韓国の企業との競争が激化し、労働コストの上昇もあり、日本企業の優位性が薄れつつあります。このような背景の中で、新たな挑戦を牽引できる「変革人材」が求められていますが、その育成環境はまだ十分ではありません。
タイには現在約7万人の日本人が住んでおり、地理的な優位性や日系企業の駐在員制度を活用することで、変革の波をタイ国内にとどまらず、日本、ひいては世界全体に広げる可能性があります。そこで本調査では、「日本人の変革人材」と「挑戦の舞台としてのタイ」に注目して、調査が行われました。
調査の概要
本調査では、タイなどで活躍する日本人へのインタビューを通じて、次の3つのテーマを中心に分析を行いました。
1. 人材育成・輩出拠点としてのタイの強み
2. 変革人材に共通する特徴
3. 変革人材を持続可能に生み出すための仕組み
具体的には、タイでの先進的な取り組みに従事している18名の日本人に対してインタビューを実施しました。インタビュイーは駐在員、現地採用者、起業家の3つのカテゴリーに分類され、それぞれに対して具体的なエピソードについて深く掘り下げて質問しました。
調査結果の主なポイント
タイの4つの強み
調査を通じて、タイが変革人材の育成・輩出拠点として持つ4つの強みが明らかになりました。
1.
強固な日タイ関係: 日本とタイの間に築かれた人材ネットワークや信頼関係が短期間で成果を生みやすくしています。
2.
挑戦を後押しする環境: 失敗に寛容な文化があり、信頼を得られれば自由度の高いビジネス環境が整っています。
3.
出島としての機能: ASEANやインド市場へのアクセスが容易で、日本人コミュニティを活用したビジネス展開が可能です。
4.
子育てとの両立ができる環境: 教育や医療、食生活などが整っており、子育て世代でも挑戦しやすい環境が整っています。
変革人材に共通する特徴
さらに、変革人材に共通する特徴として、以下の3つが指摘されました。
1.
強い当事者意識: 課題を自分の問題として捉え、冷静に分析し解決策を考える姿勢。
2.
丁寧な対話: 日本人、タイ人双方の特性を理解し、熱意を共有しながら協働を進める。
3.
長期・短期の目標設定: 長期的な視点を持ちながら、小さな成果を積み重ねていき、失敗から学ぶ柔軟性。
調査から得られた考察
この調査を通じて明らかになったのは、変革人材を継続的に生み出すために必要な3つのアクションです。まず、タイに関する情報を積極的に発信し、次に赴任直後のサポート体制を整備し、最後にグローバル人材の知見やネットワークのストック化を図ることが推奨されました。これらの施策を通じて、AOTSは変革の契機を築き、様々な人材育成ニーズに応える意思を表明しました。
この調査結果は、タイに住む日本人だけでなく、これから海外での挑戦を考える個人や駐在員を選定・派遣する日本企業にとっても重要な示唆を含んでいます。タイを「変革人材の登竜門」と位置づけ、優秀な人材を積極的に育成することが、グローバル競争力の強化につながると考えられます。
調査の詳細
詳細な調査結果や個別インタビュー記事は、Mediatorが運営するメディア『THAIBIZ』でご覧いただけます。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
AOTSとMediator
一般財団法人 AOTSは、開発途上国の産業人材に研修や専門家派遣を行う機関であり、1959年の創立以来、日本と各国間の経済発展を支援しています。Mediatorは、バンコクを拠点に日本企業のタイ進出や協業を推進しているプロジェクトマネジメントチームです。