Web3技術が青森ねぶた祭を活性化
青森県の魅力を発信し続ける伝統行事「青森ねぶた祭」に、最新のWeb3技術が導入されることとなりました。この取り組みは、株式会社日立ソリューションズ東日本とぷらっとホームの2社によって進められ、「ねぶた祭DAO」と名付けられています。実証実験は、2025年のねぶた祭開催期間である8月2日から8月7日まで行われる予定です。
1. DAOとは何か?
DAO(分散型自律組織)は、ブロックチェーン技術に基づく構造で、参加者が自らの権利を持って運営に関与できる仕組みを提供します。これにより、従来の運営方法では実現困難だった地域コミュニティの活性化を目指すというものです。
2. NFTが生むデジタル参加証明
本実証実験では、参加者がスマートフォンを通じて、祭りに参加する際の証明書としてNFT(非代替性トークン)を発行します。このNFTは、会場内のQRコードを読み取ることで取得可能となり、参加証明の役割を果たします。紙の証明書に代わり、改ざんができないデジタル資産として思い出を保存することができます。
3. 写真のNFT化と共有機能
さらに、参加者が撮影した祭りの画像は「ねぶた祭DAOアプリ」に投稿することができ、この写真はNFTとして発行され、参加者自身のアカウントに付与されます。これにより、投稿された写真はSNSで広くシェアされ、祭りの魅力を多くの人々に伝えることが可能になります。なお、投稿した写真はマーケットプレイスでの売買はできず、あくまで思い出として保持されます。
4. SNS評価に基づく報酬
参加者が投稿した写真は、いいね数などの評価に応じた「価値」が付与され、その結果は「写真NFT」へ配付されます。この仕組みは、参加者の作品がどれだけ支持されているかを視覚化し、さらなる交流を喚起することを狙っています。
5. 地域経済への還元に期待
実証実験の目的は、ただ単に祭りの記録を保つことにとどまらず、地域経済への還元を図ることにあります。集めたデータや評価結果を基に、青森ねぶた祭への本格導入を進め、他地域の祭りへも適用できる知見を蓄積する予定です。これにより、参加者一人ひとりがデジタル資産を保有し、地域への愛着が深まることが期待されます。
6. 未来へ向けた展望
Web3技術を駆使したこの新たな取り組みは、参加者がデジタルとリアルの両方で活躍し、地域の伝統行事を支える参画意識を高めることに貢献します。日立ソリューションズ東日本とぷらっとホームは、今後も地域のデジタル化を推進し、現実世界の資産を仮想化する「ThingsToken」を通じた新たな収益モデルの検証を行います。これにより、地域活性化における持続可能な循環を模索していく方針です。
本実証実験の成功を通じて、青森のみならず、日本全国の各地域が伝統を守りつつ、テクノロジーとの調和を図る新しいモデルを確立していくことが期待されます。