株式会社BALLASが新たな資金調達を実現
株式会社BALLASは、建設部材の生産性と創造性の両立を目指し、建設業界のサプライチェーンを最適化する企業です。代表取締役の木村将之氏が率いるこの会社は、最近シリーズAで18.4億円という大規模な資金を調達し、次のステージへと進化を遂げています。
資金調達の背景と概要
BALLASがシリーズAで調達した金額は、エクイティ11.6億円に加え、デット6.8億円の合計です。この資金を用いて、同社は取り組んでいるサプライチェーンマネジメントシステム(以下、SCMシステム)の開発と運用を加速させる方針です。
建設業界は、労働人口の減少による供給力不足が深刻な問題となっています。BALLASは、データを駆使し、設計から供給に至るプロセスの効率化を図ることで、QCD(品質、価格、納期)の向上を目指しています。この取り組みを通じて、建設部材の供給において確固たる地位を築こうとしています。
急成長を遂げるBUILDAS
創業からわずか1年後の2023年、BALLASは第一回目の資金調達を敢行しました。以降、同社は急成長を続け、2024年の売上は前年比3倍、売上総利益は4倍に達する見込みです。業界の特性上、これまで建設部材は一品一様の受注生産が主流でしたが、BALLASのSCMシステムによってマス・カスタマイズ生産が可能に。これにより、発注者は自社の得意分野に集中できるようになりました。
SCMシステムの進化と機能強化
BALLASは、2024年までに建設業法に基づく建設業許可を取得する予定で、これによりより広範な設計・生産・施工データを扱う準備を整えています。SCMシステムは、データベース上に図面をもとにしたコミュニケーション機能を搭載し、情報の分断を防ぎます。さらに、AI機能の充実により、サプライチェーンのマネジメントを一層強化する計画です。
組織体制の強化と人材採用
2024年の初めには、45名の組織から93名に拡大する見込みで、特にプロダクトチームが成長を遂げています。この資調調達資金を利用して、プロダクト開発の加速や業界の共通基盤のアップグレードを目指し、組織体制の強化を進めています。
また、BALLASでは、データ活用やAI技術に興味のある人材の採用を積極的に行っています。機械学習エンジニアやソフトウェアエンジニア、BIM/CADの業務経験を持つ人材を募ることで、さらなる事業拡大を図っています。
リアル産業にAIを実装する取り組み
今回の資金調達を機に、BALLASは実際の業務で得た知見を共有するオフラインイベントを開催することを発表しました。このイベントでは、建設部材の設計における自動化アルゴリズムをどのように構築し、実装しているかを紹介し、AI技術の実践的な活用方法について議論する予定です。参加者には、プロダクトや技術、組織の構築に興味のある方々を広く歓迎しています。
まとめ
BALLASは、建設業界の未来を見据えた革新的な取り組みを進めています。資金調達を通じて、業界課題の根本から改めて見直し、データとAIを駆使した新たなビジネスモデルの確立に挑んでいます。業界全体の発展に貢献できるよう、これからも積極的な姿勢で取り組み続けることでしょう。