横浜市立全小学校で『Yomokka!』導入
2025年7月より、横浜市立の全ての小学校、義務教育学校、特別支援学校に新たな電子図書館『Yomokka!(よもっか!)』が導入されることが決まりました。このプロジェクトは、株式会社ポプラ社が提供する教育ICTプラットフォーム『MottoSokka!(もっとそっか!)』を通じて実現するもので、約17万人の児童に新しい読書の機会を提供します。
誰でもいつでも読書が可能
『Yomokka!』の最大の特徴は、物理的な制約を受けることなく、子どもたちが好きな時に好きな本を読める点です。さらに同じ本を何人でも同時に読むことができるため、授業などの教育現場にも適した環境を提供します。これにより、家でも学校でも手軽に読書を楽しむことが可能になり、読書に対する関心が高まることが期待されています。
導入の目的とメリット
横浜市教育委員会が『Yomokka!』の導入にあたり挙げる主な利点は以下の4点です。
1.
同時読みが可能:授業で全員が同じ本を読んだり、感想を共有することが容易になります。
2.
学校図書館の本の不足を解消:学校図書館に本が置けない状況でも、約5,000冊の作品が読み放題です。
3.
読書状況の把握:個々の児童の読書量や読書履歴を確認することができます。
4.
アクセシビリティ向上:視覚に配慮した機能を搭載し、多様な子どもたちが安心して利用できる設計です。
試行導入校での出色の成果
2024年には市立学校9校で試行導入が行われ、驚くべき結果が得られました。この試期間では、小学生一人当たりの電子書籍利用冊数が1か月平均で約20.7冊に達し、全国平均の約1.5倍に達しました。この増加は、電子書籍を通じて貸出中の本を気にせずに好きな本を選べる自由度から生まれたものです。
さらに試行導入前後で、多くの学校図書館で来館者数や貸出冊数が増加しているという結果も出ています。このことから、電子書籍が子どもたちの読書への親しみを促進し、図書館への訪問者も増えるという好循環が生まれていることが分かります。
利用者からのポジティブな反響
試行校から寄せられた子どもたち、教職員、保護者の声も非常に好意的です。特に、子どもたちからは「貸出中の本がないので、すぐに読みたい本を手に入れられる」との意見が多く、また教職員からは「子どもたちが自発的に学ぶ姿勢が見られるようになった」との感想も寄せられています。保護者からも、「電子書籍で気に入った本を購入することができた」と、家庭での読書環境の変化が報告されています。
今後の展望
『Yomokka!』の導入により、横浜市の子どもたちの読書環境が大きく進化します。教育委員会は、子どもたちや教職員の意見を反映させながらこのプラットフォームを不断にアップデートし、より良い読書環境を提供するための取り組みを続けていくことでしょう。読書データを利用すれば、学校の教育内容についての改善にもつながり、真の意味での“学びの場”が実現されることが期待されています。
『Yomokka!』の公式ウェブサイトでは、多様な書籍の情報やサービスについても詳しく紹介されています。この新しい読書のかたちがどのように実現していくか、ぜひ注目していきたいところです。