HTCとNTT Com、没入型エンターテインメントの未来を共創
2025年6月26日、東京でスマートフォンやバーチャルリアリティ(VR)技術の革新で知られるHTCと、通信事業やスマートシティのICTソリューションを提供するNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が戦略的パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結しました。この連携により、日本市場における大規模ロケーションベースエンターテインメント(LBE)の導入が加速し、次世代の没入型エンターテインメント市場を共同で開拓していくことが目指されています。
LBE市場の急成長とXR技術の融合
近年、LBEは世界各国で急速に拡大している没入型エンターテインメントの一形態となっており、XR技術と物理的空間を組み合わせることで、文化、エンターテインメント、教育、観光など多岐に渡る分野に展開されています。来場者は特別なXRヘッドセットを装着することで、現実と仮想が融合した経験を楽しむことができるのです。
施設側にとっても、こうした技術は大規模な改修工事を必要とせず、軽量な機材のみで導入が可能です。それにより、多様なイベントを柔軟に企画でき、稼働率や収益性の向上にもつながります。
持続可能な施設運営と収益確保
日本では大型スポーツや音楽イベント用の施設が次々と建設されていますが、イベントがない日にも施設の活用価値を高めることが大きな課題となっています。このため、運営コストの削減や施設の稼働率向上が必要とされています。
HTCの最先端のLBE技術と、NTT Comのスマートシティ構築における実績が融合することで、両社は新たなエンターテインメントソリューションの共同開発を目指しています。
世界的な実績とXR技術の可能性
HTCはLBE分野のグローバルなリーダーとして、各国で文化的XRコンテンツの体験型展示を成功させてきました。例えば、「エターナル・ノートルダム」や「ヴェルサイユ:太陽王の失われた庭園」など、国際的に高評価を受けた作品があります。これにより、XRが文化とテクノロジーの境界を超える力を持つことが実証されています。
最大1,000㎡のXR空間で幅広い体験
HTCが提供するLBEソリューションは、最大1,000㎡の広大な空間で複数の人が同時に動き回ることが可能です。この空間では、文化展示だけでなく、パフォーミングアートや教育、観光業界でも様々な展開が期待されています。
日本コンテンツ産業との連携強化
今後、HTCとNTT Comは日本のアニメやゲームの著名IPホルダーとの連携を深め、XRコンテンツの幅を広げる計画を立てています。さらに、NTT Comは触覚通信やIOWNの導入を検討し、複数施設をリアルタイムでつなぐことで、よりインタラクティブな体験を提供できるように努めます。
企業情報
NTTコミュニケーションズ
NTTコミュニケーションズは、1999年に設立され、通信キャリアとして高品質なインフラと技術を活かし、多様なICTソリューションを提供しています。特に、法人市場において地域社会のデジタル変革を支援しています。
HTC
HTCは、1997年に創業し、多くの受賞歴を持つ革新的な企業です。スマートフォンやVR技術を通じて、世界中の消費者に驚きと革新を提供しています。特に、モバイルやVRだけでなく、人々の生活やビジネスの在り方を変える能力があります。
まとめ
HTCとNTT Comの連携は、日本におけるLBE市場のさらなる発展を促し、未来のエンターテインメントの形を変える可能性を秘めています。これからの動向にぜひ注目していきましょう。