桜十字グループが開発したリハビリ機器Naremが特許を取得
桜十字先端リハビリテーションセンターSACRAは、北九州市立大学と協力して開発した手指麻痺を支援する「Narem」という新しいリハビリ機器が特許を取得したと発表しました。これにより、脳卒中や脊髄損傷などによる手指の麻痺を持つ方々に向けた新たな治療の可能性が広がります。
人生100年時代におけるウェルビーイングの追求
桜十字グループは「人生100年時代の生きるを満たす」をテーマにし、医療や介護、予防医療などの分野でさまざまな事業を展開しています。特にSACRAは、先端的なリハビリ研究を行い、地域の患者に新たな価値を提供するために設立されました。今回のNarem開発は、その取り組みの一環であり、患者の生活の質を向上させるための新しいアプローチを提案しています。
手指の麻痺に関する現状と課題
脳卒中は国内でも非常に多くの患者を抱える病気で、その中でも手指の麻痺が残るケースは多いです。麻痺が残ることで日常生活に大きな支障をきたし、介護が必要となる場合もあります。従来のリハビリテーション方法では、手指の繊細な動きを復元することが難しかったため、治療の選択肢は限られていました。
Naremの革新的なアプローチ
Naremは従来の手指リハビリテーションとは異なるアプローチを採用しています。具体的には、動く方の手指の動作をLEAP MOTIONというシステムで取得し、その動作を麻痺した手指に瞬時に再現する技術が搭載されています。このシステムにより、手指の関節ごとの細かな動きが再現でき、治療効果が大いに期待されています。
さらに、Naremを用いたリハビリは従来よりも短時間で行うことが可能で、使用者が一人でも手軽に行えるという利点もあります。例えば、30分のセッションを週2回で行うことで、実際の症例でも目に見える成果が報告されており、QOL向上につながることが期待されています。
様々な症例による効果検証
実際にNaremを使用した患者からは、手指の動きが改善されたとの報告が多数あります。8年間思うように動かなかった手指がリハビリの結果、動かせるようになった方や、介護を受けていた日常生活が自立できるようになった方もいます。特筆すべきは、発症からの時間が経過していても、リハビリ効果が証明されている点です。これにより、どの段階の患者にとっても希望をもたらすリハビリテーション法として認識されています。
今後の展望と製品化へ向けた取り組み
開発のストーリーにおいて、SACRAを中心に、多くの医療機関や大学との連携が実を結びました。これにより、Naremは独創的な研究として国からも認められ、特許取得へと至りました。今後はさらなる臨床現場への普及が期待されています。多様な医療機関での使用も見据え、手指以外の身体部分にも応用していく動きも加速しています。
桜十字グループは、引き続きNaremの効果検証を行いながら、新しいリハビリテーション法の確立に取り組んでいく方針です。
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