モンゴルの遊牧文化を深く知る「ゲルと草原の物語」企画展
横浜市にあるユーラシア文化館では、2025年4月26日から7月6日までの期間、特別展「ゲルと草原の物語―絵本原画と生活道具―」が開催されます。この展示では、モンゴルの遊牧文化に焦点を当て、モンゴル人絵本作家バーボルマー・ボロルマー氏とイチンノロブ・ガンバートル氏が創作した絵本作品を通じて、伝統的な生活様式や歴史を探求します。
伝統的な遊牧文化の魅力
モンゴルと聞くと、多くの人が「スーホの白い馬」といった民話や、モンゴルの相撲力士を思い浮かべます。しかし、モンゴルの遊牧民が実際にどのように暮らしているのかを知る機会は意外と少ないものです。遊牧生活はSDGsの観点からも注目されており、持続可能なライフスタイルとして高く評価されています。2024年12月には、モンゴル遊牧文化がユネスコの無形文化遺産にも登録され、その重要性が再認識されています。
展示内容のハイライト
本展では、モンゴルの遊牧生活を支える様々な道具や生活様式が紹介されます。特に注目すべきは、バーサンスレン・ボロルマー氏とイチンノロブ・ガンバートル氏が共同で制作した絵本『ぼくのうちはゲル』や『モンゴル大草原800年』です。これらの作品には、モンゴルの歴史や遊牧民の暮らしが色鮮やかに描かれています。
絵本の魅力
展示される絵本の原画は、色合いや細部に渡る緻密な描写が特長です。中でも『モンゴル大草原800年』は、制作に6年を要した力作で、絵巻物のような構図が特徴的です。訪れた方々には、これらの絵本を通じてモンゴルの壮大な自然と文化を感じていただけるでしょう。
生活道具から知る歴史
また、生活道具の展示も見逃せません。遊牧民の生活は、家畜をはじめとする自然環境に密接に結びついており、衣食住の全てが家畜に依存しています。展示では、チンギス・ハンの時代から現代にかけての歴史が読み解ける資料も紹介される予定です。嗅ぎ煙草入れや牛糞籠、鉄製冑など、モンゴルの伝統的な道具は、それぞれが興味深いストーリーを持っています。
シャラヴの絵画作品
展示物の中には、モンゴル版の「ブリューゲル」と讃えられる画家シャラヴの作品も含まれています。シャラヴは社会主義時代前のモンゴルの風景や人々の暮らしを描いた作品で知られています。緻密な描写や風刺を効かせた作品は、多くの観覧者に印象を与えることでしょう。
記念イベント
展示の期間中には、様々な関連イベントも行われます。例えば、「ゲルに集まれ!」イベントでは、本物のモンゴルの移動式住居・ゲルの組み立てや解体が体験できるほか、モンゴルの絵本のおはなし会も開催されます。これに加えて、モンゴルの民族衣装を試着する機会もあります。
まとめ
この企画展は、モンゴルの遊牧文化とその魅力に深く触れることができる貴重な機会です。子供から大人まで楽しめる内容が盛りだくさんですので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。モンゴルの美しい風景や、その背後にある生活文化を体感し、心に残る思い出を作ってください。