「推し活の内容は語らない」オタク同士の距離感とは何か?
近年、オタク文化がますます多様化する中で、推し活をする人々の心理や交流スタイルについての調査が注目されています。株式会社ブックリスタが運営する「推し活研究部(おしけん!)」が実施したこの調査によると、オタク同士の距離感には意外な傾向が見られました。特に、本調査では4割以上のオタクが自分の推し活の内容については語らないことが明らかになりました。この現象の背景について詳しく掘り下げてみましょう。
調査概要
調査は、2025年の5月に、推し活アプリ「Oshibana」を通じて行われ、571人の推し活ユーザーを対象に実施されました。年代別にも調査が行われ、特に10代と20代の声が強く反映されています。オタクの世界では、推しやコンテンツへの感情の込め方が年齢層によって異なることが、結果に大きく影響を与えているようです。
推し活の対象は
調査によると、アニメ(54.5%)、ゲーム(50.1%)、マンガ(39.1%)といった二次元系コンテンツが主要な推しの対象として上位に躍り出ました。これらは、特に若年層からの支持が高いことが特徴です。また、VTuberやゲーム配信者の人気も著しく、リアルタイムでの交流が求められるこの時代において、その親しみやすさが支持を集めています。このことから、オタクたちも自身の推しに寄り添う一方で、他者との距離感を保つ必要性を感じていることが分かります。
推しの情報をどこまで話すか
511人の回答をもとに、推し活の内容をどこまで共有しているか調査が行われました。その結果、59.0%の人が推しの存在や内容について話すと答え、一方で41.0%の人は推し活の内容までは語らないとの結果が出ました。このことは、オタクたちが自分の世界観を持ちつつも、他者とのコミュニケーションにおいて縮こまっていることを示しています。推しに対する熱意は理解してもらえるが、どこまで踏み込むかは慎重な心理が伺えます。
語る理由、隠す理由
オタクたちが推しについて話そうとする理由は様々です。自分の推しを語ることで友人や新しい仲間をつくりたいとの声が多く、推しを知ってもらうことで話題が増えるといった意見もありました。一方で、周囲からからかわれることを恐れたり、価値観が異なる人に自分の推しをバカにされたくないから話さないといった理由も多く挙がる結果になっています。特に10代の女性たちが抱える心の葛藤が色濃く反映されているようです。
若い世代のオタク文化
特に10代以下の回答者が63.9%を占めた今回の調査から、オタク文化の未来が明るいことが感じられます。彼らは、推し活を楽しむ中で、新しい価値観や人間関係を築きつつあるのです。推しを持つことで得られる楽しさやつながりは、SNSの普及によりより一層広がりを見せています。
推し活は語りやすい時代に
現代では、オタク文化について話しやすい環境が整ってきているともいえます。かつてのように隠さなければならなかった時代とは異なり、多くの人がオタクであることをオープンにしつつあり、共通の趣味を持つ友人を見つけやすくなっています。ただし、そのオープンさが悪用されるリスクも多々あり、慎重に対人関係を築いていく必要があるとも言えます。
結論
推しを語る行為は、自己表現の手段でもあり、多くの人とのつながりを創出することにつながります。しかし、その裏には繊細な心の葛藤が存在します。オタクたちは自分の世界を大事にしながらも、他人との距離感を保つバランスを探っているのです。次回は、推しバレやオタバレに関する調査を紹介し、さらに深いオタク文化を探求していく予定です。今後もオタクの皆さんの心の声に寄り添いながら、楽しい推し活を続けていきましょう。