東北初の取組み!むつ総合病院での遠隔診療
青森県むつ市にあるむつ総合病院が、地域医療の革新を目指して、医療関係者間のコミュニケーションアプリ「Join(ジョイン)」を導入しました。これは、弘前大学医学部附属病院との遠隔診療を実現するための新たな試みに、東北では初めてのことです。
背景と必要性
下北半島の中心に位置するむつ市は、約7万人の医療圏を有する唯一の総合病院がある地域です。この病院は三次救急の役割を担い、周辺の都市に比べて専門医が不足しています。特に、医療従事者の確保は深刻な課題であり、この地域の医療を守るために専門医との連携が重要視されています。
遠隔診療の導入
今回の遠隔診療サービスは、主に以下の三つの専門分野にわたります。
1.
遠隔妊産婦管理
周産期専門医が不在の中、Joinを介して弘前大学と連携し、リアルタイムでエコー画像を共有します。これにより、妊婦は通院の負担を大幅に軽減され、必要な場合にだけ高次医療機関に訪れることが可能です。
2.
遠隔脳神経外科手術指導
脳神経外科専門医が一名しかいないむつ総合病院ですが、Joinの「LiveView」機能を活用して、手術中の映像を弘前大学に送信しながら、専門家のアドバイスを受けられます。これにより、より安全な手術が期待されています。
3.
遠隔ICUによる重症患者管理
集中治療医が不在な状況においても、Joinとクロスシンク社の「iBSEN DX」を組み合わせて使用することで、急変時における専門医の助言が受けられます。これにより、休日や夜間も安心して治療を続けることができます。
患者にとっての利点
弘前大学病院へ通院する下北エリアの患者は年間で約2500人に上りますが、通院には片道約3時間の移動が必要でした。この新たな遠隔診療システムによって、患者たちの通院負担が劇的に軽減されることが期待されます。特に、宿泊や付き添いが必要だった患者にとっては、医療のアクセス向上が大きな助けとなるでしょう。
医療DXの必要性
地域医療を守りつつ必要な医療を届けるためには、限られた医師という資源を最大限に活用することが重要です。医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)が、物理的な距離を乗り越え、患者に必要な医療を適切に提供する手段となります。このような取り組みを通じて、むつ総合病院は地域医療の充実を図ることができるのです。
未来への展望
アルム社は、この革新的な遠隔医療により医師の働き方を効率化しつつ、すべての人に公平な医療の実現を目指しています。Joinは現在、日本国内のみならず、国外でも注目を集める医療ICTソリューションとなっています。今後の展開が大いに期待される中、地域医療を支えるための新たなイニシアティブがますます進化していくことでしょう。