シェルパ、シリーズBラウンドで10億円調達
東京都品川区に本社を置くシェルパ・アンド・カンパニー株式会社は、持続可能なビジョン「利益とサステナビリティが融合する世界を実現する」を掲げ、サステナビリティデータ・プラットフォーム「SmartESG」を展開しています。この度、同社はシリーズBラウンドのファーストクローズを成功させ、合計10億円を調達しました。これにより、創業以来の調達総額が約15億円に達しました。
調達された資金の背景と目的
今回の資金調達には、既存の株主であるWiLがリードし、ANAホールディングス株式会社やキヤノンマーケティングジャパン株式会社などが新たに参加しました。これらの企業はサステナビリティ分野でのソリューションを求めており、実際の業務で「SmartESG」を活用した結果、さらなる協業の可能性を感じて投資を決定しました。特に、キヤノンマーケティングはシェルパとのコラボレーションを通じて、非財務情報の電子化と分析の価値創出を期待しています。
今回調達した資金は、SmartESGの機能を向上させ、より利用しやすいプラットフォームへと進化させるために使用されます。具体的には、企業がサステナビリティ経営を効率的に設計、実行できる環境の構築を目指しています。
サステナビリティ経営の重要性
今のビジネス環境では、企業は排出量の可視化や透明性の確保が求められています。2025年にはESG投資市場の規模が約35.48兆ドル、2034年には167.49兆ドルに達する見込みです(※1)。このような背景の中で、日本の企業もサステナビリティ情報の開示を求められ、ますますその重要性が増しています。
企業は、複雑さが増すサステナビリティ報告に悩まされており、情報開示の基準が複雑すぎるとの声も聞かれます。シェルパはこの問題を解決するために、SmartESGを通じてサステナビリティ情報の一元化と業務効率化を図り、企業が抱えている課題を解決するためのプラットフォームを提供しています。
SmartESGの成長と導入状況
「SmartESG」は2022年11月のリリース以来、70社以上の大企業に導入され、時価総額5000億円を超える企業の約15%が利用しています。その累計時価総額は200兆円を上回るとされています。このプラットフォームは、複雑な非財務データの管理をサポートし、企業が持続可能性レポートを作成する際の負担を軽減する役割を果たしています。
2024年以降には法定開示対応や、ESGに関する調査の負担を軽減するAIサービスなども提供が予定されています。そのため、さまざまなステークホルダーのサステナビリティデータ管理の支援を目指します。
今後の展望と取り組み
シェルパは、今回の資金調達を機にさらなる事業の拡大を計画しており、特にエンタープライズ企業向けのセールスやカスタマーサクセスなどの中核人材の採用を強化しています。持続可能な社会を実現するために、テクノロジーとESGの専門知識を融合させた新たな価値創出に邁進する姿勢を示しています。
シェルパ・アンド・カンパニーの代表取締役CEO杉本淳氏は、今回の資金調達によって顧客の期待に応え、サステナビリティ経営の推進に寄与する意向を表明しています。大企業とのパートナーシップを強化しながら、国内外への事業展開を加速し、持続可能な未来の実現に貢献していくビジョンを描いています。
参考情報
- - 会社名: シェルパ・アンド・カンパニー株式会社
- - 代表: 代表取締役CEO 杉本 淳
- - 所在地: 東京都品川区南大井6-4-22
- - 設立: 2019年9月
- - 資本金: 100百万円
- - 事業内容: サステナビリティ・ESG情報開示支援クラウド「SmartESG」など
公式サイト
SmartESG