再春館製薬所とNTT東日本による新たな取り組み
再春館製薬所は、NTT東日本、テクノーブルと連携し、環境にやさしいオタネニンジンの栽培に向けた新たなプロジェクトを発表しました。このプロジェクトは、2026年6月より実証実験がスタートし、アクアポニックス技術と情報通信技術(ICT)を融合させたスマート栽培モデルの確立を目指しています。これにより、オタネニンジンの安定供給と新たな活用方法を見出すことを目指し、さらなる価値を生み出すことで、環境負荷の軽減と国産オタネニンジンの保護を実現しようとしています。
プロジェクトの背景
再春館製薬所は植物を“やさしい”存在ではなく、厳しい自然環境で生き延びた“力強い”生命体として定義しています。この思考の中で、大地の生態系を尊重し、人間も自然の一部として生きる漢方の思想を根幹に持つ「長白参」を主力製品に位置づけています。
長白山で育まれたオタネニンジンは、その成分「ジンセノサイド」によって様々な効果を示し、特に美白や抗老化において高い効果が期待できるとして、特許も取得しました。しかし、現在、国内での栽培が減少しており、特にオタネニンジンは約99%が海外に依存している現状があります。
このような状況を打開するためにも、再春館製薬所は新たなアプローチを模索し、NTT東日本とテクノーブルとの協力により、持続可能な栽培システムを確立しようとしています。
プロジェクトの目的
本プロジェクトは「地域循環型社会の共創」を目指し、2社の強みを活かして、環境負荷の低減とオタネニンジンの価値向上を図ろうとするものです。
- - 環境負荷の低減と栽培期間の短縮:アクアポニックス技術により、魚との共生による水循環を利用し、土を使わずに栽培を行うことで、環境への負担を軽減します。
- - 全草活用による高付加価値化:完全無農薬の環境下で、根だけでなく葉や茎、実も余すことなく利用し、その成分を活かした新たな機能性原料の開発も探求します。
実証実験の詳細
実証実験は、東京都調布市にあるNTTの研究拠点「NTTe-City Labo」で行われます。ここでは、アクアポニックス技術を用いてオタネニンジンの栽培環境を整備し、各種データを収集、分析します。これにより、最適な栽培環境を実現し、さらなる効率化を目指します。
- - データ収集:環境センサーを設置し、温度や照度、水質などのデータを集めます。AI技術によって相関分析を行い、オタネニンジンに最適な条件を模索します。
- - 省人化・効率化の実施:NTTの各種DX技術を活用し、作業の効率化と自動化を進め、さらに環境負荷の低減を実現します。
今後の展望
再春館製薬所は、この実証実験を通じてオタネニンジンの栽培における有用成分の可視化と評価を行い、「自然とつながり、人とつながる明日を」という理念を実践していく所存です。この取り組みが成功すれば、持続可能な農法で高品質なオタネニンジンの安定供給が可能となり、さらには国際輸送によるCO2排出量の削減にもつながることでしょう。
この新しい挑戦が、地域や環境への持続可能な貢献に繋がることが期待されています。