春節に見る中国からの日本旅行新トレンドとは
近年、中国からのインバウンド観光客が急速に回復しており、特に中国の旧正月である春節期間に多くの観光客が日本を訪れることが予想されています。インタセクト・コミュニケーションズが実施した「2025年 春節期間の日本旅行に関する調査」では、実際に旅行を計画している1,013人の意見を集め、その傾向を探りました。
1. 旅行の目的は「グルメ」が1位
調査結果によると、春節期間中に日本を訪れる中国在住者の主な目的は「グルメ」であり、回答者の65.9%がこの目的を選びました。特に北海道では、毛蟹や牡蠣など冬の海産物が旬を迎え、食文化を楽しむために訪れることが増えています。その他にも「温泉」(55.6%)や「冬景色鑑賞」(41.5%)など、冬ならではのアクティビティが人気を博していることも注目に値します。これらの目的は、シーズン性を反映しており、日本の魅力を際立たせています。
2. 旅行予算は21万円から42万円
春節期間の日本旅行における予算については、最も多くの回答者が「約21万円〜42万円」を予定しており、41.6%がこの範囲に該当しました。低予算な旅行を予定している人はあまり多くなく、この点からも中国の旅行者の日本への関心がうかがえます。
3. お土産の選び方
旅行中に購入したい商品について調査したところ、自己用では「化粧品」(50.0%)、家族や友人へのお土産では「お菓子類」(46.2%)が多く、販売戦略としてこの分野においての取り組みも重要です。行楽の際には特にグルメを重視していることが明らかになりました。
4. キャッシュレス決済の普及
支払い方法としては、約80%がキャッシュレス決済を選択。具体的には「WeChat Pay」「Alipay」などの電子決済が55.4%に達し、現金での支払いは減少しています。これに伴い、観光地におけるキャッシュレス対応がますます重要になっているといえます。
5. 中国語対応のニーズ
受入体制として求められることの中で、特に中国語対応の必要性が浮き彫りになっています。「飲食店の中国語メニュー表示」を望む声が多数あり、日本を訪れる中国の観光客がスムーズに楽しむために、言葉の壁をなくすことが重要です。
6. デジタル化された思い出作り
日本旅行の思い出をどのように残すかについては、「撮影した写真でアルバムやショートムービーを作る」が74.8%という高い数値を示しました。また、SNSでのシェアも69.8%と人気であり、旅行の思い出はデジタル中心になっています。これは、インターネットとスマートフォンの普及によって、思い出作りのスタイルが大きく変わってきていることを示しています。
結論
今回の調査結果からは、中国在住者の日本旅行におけるトレンドが明らかになりました。特に観光目的としてのグルメや温泉を重視し、キャッシュレス決済や中国語対応といった実用的なニーズが高まっています。今後、日本におけるインバウンド観光の更なる発展のためには、こうしたトレンドを理解し、柔軟に対応することが求められるでしょう。