江戸時代の女性たちの心情に触れる「初化粧」展が開幕
2024年12月19日(木)、東京・港区南青山のポーラ文化研究所化粧文化ギャラリーで、江戸時代を背景にした「初化粧」展が始まります。本展は化粧が文化や習慣にどのように影響していたのかを探査します。江戸時代の女性たちが経験した厳しい通過儀礼の数々を通じて、彼女たちの心情や社会的な背景を読み解きます。
この展覧会は、今年5月から始まった「はじまりの美学」シリーズの三期目にあたります。江戸時代の化粧は、単なる美容行為ではなく、身分や年齢、職業によって厳密に定められたものでした。特に成人、結婚、出産といった重要なライフイベントにおいては、それぞれに「初めて行う化粧」が存在しました。これらの通過儀礼の中で、特に既婚女性を象徴する「剃り眉」と「丸髷」に注目し、化粧が人々に与える大きな影響を探ります。
展示には、五渡亭国貞や三代歌川豊国が描く浮世絵や、江戸時代後期に使用されていた眉つくり道具が含まれています。また、当時の髪型を再現した「結髪雛形」も展示され、化粧を通じて見えるライフステージの変化を豊かに表現しています。化粧を施すことに伴う心の揺れや不安、期待を様々な資料を用いて解説し、来場者に江戸時代の女性たちの内面に迫る経験を提供します。
さらに、展覧会にはBooksコーナーも設置され、テーマに基づいて選ばれた書籍が並びます。「転換点」「変態」「流行」「視覚」「ためらい」「自信」といったテーマから、化粧に関するさまざまな視点を提供し、独自の文化との出会いを楽しむことができます。
展示概要
- - 展覧会名: 「はじまりの美学」3期 初化粧
- - 会期: 2024年12月19日(木)~2025年3月28日(金)
- - 場所: ポーラ文化研究所化粧文化ギャラリー(〒107-0062 東京都港区南青山2-5-17 ポーラ青山ビルディング1F)
- - 開室日: 木曜日、金曜日(木曜日は予約制)
- - 休室日: 2024年12月20日、2025年1月2日、1月3日、3月20日
- - 開室時間: 11:00~17:00(最終入室は16:30まで)
- - 料金: 無料
- - 公式サイト: ポーラ文化研究所
この文化ギャラリーは、化粧道具や絵画、文献を用いて、江戸時代の習慣を理解するための貴重な場として機能しています。特に、学芸員によるギャラリートークも予約制で行い、より深い理解を提供します。
また、港区立赤坂図書館との共催で、スライドトークイベントも開催予定です。このイベントでは「初化粧」展の見どころや化粧にまつわる歴史的意義について学ぶことができます。
- - イベント名: 「はじまりの美学」スライドトーク
- - 日時: 2025年1月26日(日)14:00~15:00
- - 場所: 港区立赤坂図書館多目的ホール
- - 定員: 30名(事前予約制)
- - 申込方法: 12月22日(日)より受け付け
- - 公式サイト: 赤坂図書館
最後に、ポーラ文化研究所は新たな顏はめアプリ「BEAUTY TRIP」を通じて、ユーザーが歴史的なビューティアイコンになりきる体験ができるプログラムを提供します。西洋版画や浮世絵の人物と一体化できる新機能のリリースも予定されています。
この「初化粧」展は、江戸時代の女性たちが直面した化粧にまつわる心情や社会の変化について学ぶ絶好の機会です。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。