日本製高性能小型コンピュータボード、BLEAD-AGEが誕生
日本の技術者たちの手による、汎用小型コンピュータボード「BLEAD-AGE」が登場し、その先行試作プロジェクトがクラウドファウンディングサイトでスタートしました。製造は東北で行い、全体の60%以上の部品が日本製というこだわりがあります。この新しいプラットフォームは、エンジニアやホビーユーザーにとって、より使いやすい環境を提供することを目指しています。
背景
昨今、Raspberry PiやDragonBoardなどの小型コンピュータボードが注目を集めています。しかし、日本の技術者や学生にとって、これらの情報は英語で提供されることが多く、アクセスしづらいのが実情です。使用方法やアプリケーションに関する学習には、英語のページに頼らざるを得ず、その結果、モチベーションが下がることもしばしばです。
BLEAD-AGEは、こうした障壁を取り除き、日本人向けに日本語対応の情報を提供することを目指しています。シンプルなブロック感覚を採用し、センサーやデバイスを簡単につなげてハードウェアを制御できる環境を整えています。このプラットフォームは、産業や教育の分野でも活用されることが期待されています。
プロジェクトの概要
このプロジェクトでは、BLEAD-AGEの試作を110枚行う予定です。設計を手掛けるのは東京都大田区に位置する株式会社芳和システムデザインで、製造は地元東北のメーカーに委託されています。使用されるSoCは、日本の半導体メーカー株式会社Socionextの製品で、その名もMB86S71です。また、AndroidやLinuxが動作可能で、将来的にはアプリケーションストアからもアプリケーションをダウンロードして利用できるようになります。
特にビジネスシーンにおいては、大型のタッチパネルディスプレイやハンズフリースピーカーなどにも対応し、会議システムやリモートセミナーなどに広く利用されることが見込まれています。ホビー用途でも大画面でのインタラクティブな遊びや、Kinect、PlayStationコントローラーを用いたゲーム体験が可能です。また、RS-485対応により、ロボットの制御も実現します。
クラウドファンディングの目的
BLEAD-AGEの試作にあたっては、先行して100台のプロトタイプを製作することで初期費用を賄う予定です。この基板は10層という高度な技術が求められ、これにより一般的なノートパソコンよりも難易度が高く、コストも増加することが予想されます。しかし、初回限定で64GBのFashメモリを搭載することで、価格以上の価値を感じていただけるのではないかと思っています。
主な仕様
- - 基板: 白レジストで作成予定
- - SoC: Socionext製MB86S71
- - CPU: ARM32Bit Quad A15x2/A7x2 1.6GHz big/LITTLE構成
- - RAM: LPDDR3 800MHz 2GByte
- - e.MMC: 16GByte(試作時は64GByteを予定)
- - 接続インターフェース: HDMI, WiFi (技適取得予定), Bluetooth (技適取得予定), USB 3.0x1/2.0x1
情報の開示
このプロジェクトの進展情報は、Open SoC Android Working GroupのFacebookページで定期的に更新される予定です。将来的には、ソースコードやエンジニアに向けた情報も公開する計画です。
BLEAD-AGEは、日本のエンジニアリングを盛り上げるだけでなく、国内製造の推進を通じて地域経済にも貢献していくことを目指しています。今後の展開にぜひご注目ください。