資生堂が進める新たな循環型プロジェクト「BeauRing」
資生堂株式会社は、プラスチック製化粧品容器の循環型モデル「BeauRing」を拡張することを発表しました。2025年10月1日より、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスに加え、シャネル合同会社および株式会社ファンケルが新たにプロジェクトに参画し、容器の収集ポイントも現在の20ヶ所から41ヶ所に増加します。これにより、化粧品容器をより身近な場所でリサイクル可能となり、生活者が参加しやすい環境を提供します。
プロジェクトの背景
「BeauRing」は、使用済みのプラスチック製化粧品容器を収集し、再び新しい容器へと再生する取り組みです。資生堂はこのモデルを2023年2月に開始し、4月にはポーラが加わりました。これまで、横浜市内のデパートや化粧品専門店、及び資生堂のイノベーションセンターとして知られる横浜みなとみらい21地区に設置した「BeauRing BOX」で、収集した容器の量や利用者の意見の分析を行ってきました。
プロジェクトの成功には、使用済み容器を簡単に分別し、洗浄する必要がないことが大きく寄与しています。今後集まる化粧品容器は、資生堂、ポーラ、シャネル、ファンケルという4社分に増えるため、リサイクルへの一層の参加が期待されています。
循環型モデルの実証試験
株式会社積水化学工業と住友化学との協力により、容器のリサイクル処理を実施しています。先日、再生エタノール化の試験が成功を収め、使用済みプラスチック製化粧品容器が再生エタノールとして生まれ変わることが確認されました。このエタノールは、従来の化石資源を用いたものと同等の品質を持つことも実証されています。この技術は、一般ゴミをエタノールに変換するためのBRエタノール技術によって実現され、プロジェクト全体の環境負荷軽減にもつながります。
サステナビリティへの取り組み
資生堂は、サステナブルな社会の実現を目指し、化粧品容器のデザインにおいても環境への配慮を進めています。こまめな素材選びや、分別を容易にするための単一素材化などを推進し、循環型の価値を追求しています。今後も、「BeauRing」を通じてリサイクルへの理解を促進し、さらなる拠点の拡充を図ります。
未来に向けて
これらの取り組みを通じて、資生堂は2030年に向けて「美の力を通じて人々が幸福を実感できるサステナブルな社会の実現」を目指しています。すべてのステークホルダーとの連携を強化し、持続可能な未来に向けた活動を推進することをお約束します。
資生堂の「BeauRing」プロジェクトは、リサイクルの習慣を育成する重要な一歩として、環境保護とともにサステナビリティの理念を確立していくことでしょう。これからの展開に、ぜひご注目ください。