佐野ぬい展:90歳を祝う
2022-10-03 15:00:19
佐野ぬい展:90歳を祝う「青の画家」の軌跡 表参道ヒルズで個展開催
佐野ぬい展:90歳の軌跡と「ニュイ・ブルー」の深淵
この秋、日本の抽象表現を牽引してきた巨匠、佐野ぬい氏が90歳の誕生日を迎えました。それを記念し、長年親交のある表参道ヒルズ「Galerie412」にて、90th Anniversary Exhibitionと題した個展が開催されます。
本展では、佐野氏のこれまでの画業を網羅する作品が展示されます。初期から一貫して描き続け、彼女を「青の画家」として知らしめた、鮮烈な青を基調とした作品の数々。その青は、彼女独自の「ニュイ・ブルー(Nuit Blue)」と呼ばれ、見る者の心を深く捉えます。
会場には、日本経済新聞日曜版に長年掲載されてきた挿絵の原画も展示されます。新聞紙面で親しんできた作品を間近で鑑賞できる貴重な機会です。また、弘前れんが倉庫美術館で開催された「りんご前線」展に出品された0号油彩の近作や、これまで一般公開されたことのない新作も展示予定とのこと。佐野氏の多様な表現様式と、長年にわたる創作活動の軌跡を、じっくりと堪能できる内容となっています。
さらに、本展は、佐野氏ゆかりの場所との繋がりも感じられる構成となっています。青森県弘前市に生まれ、実家は菓子屋「ラグノオささき」という佐野氏。その故郷の風景や、彼女自身の記憶が、作品を通して繊細に表現されている点にも注目です。
佐野氏の作品は、キャンバスに描かれた絵画にとどまりません。杉並区役所や東京ウィメンズプラザの壁画、弘前市民会館や京成スカイライナー成田空港駅のステンドグラスなど、公共空間を彩る作品も数多く手がけてきました。これら公共空間における作品群は、彼女が自身の芸術を社会に還元しようとする姿勢を如実に示しています。
数々の賞を受賞し、女子美術大学学長も務めた佐野ぬい氏。その輝かしい経歴と、年齢を重ねてもなお衰えることのない創作意欲は、私たちに大きな感動を与えてくれます。
90歳という節目を迎えた佐野氏の、集大成ともいえる本展。ぜひこの機会に、その圧倒的な色彩感覚と、深遠な表現世界を体感してください。
展覧会概要
展覧会名:佐野ぬい展 90th Anniversary Exhibition
会期:2022年11月8日(火)~22日(火)
開場時間:13:00~18:00
会場:Galerie412 表参道ヒルズ同潤館3F 302
電話:03-5410-0388
入場料金:無料
佐野ぬい氏略歴
1932年青森県弘前市生まれ。女子美術大学卒業。数々の賞を受賞し、女子美術大学学長、名誉教授などを歴任。青森県立美術館、東京都美術館など、多くの美術館に作品が収蔵されている。
アクセス
表参道駅より徒歩5分
会社情報
- 会社名
-
一般財団法人nuit・company
- 住所
- 東京都杉並区久我山4-14-4
- 電話番号
-
090-5560-3337