全国の学校水泳授業、実施予定は93%超!多様化する授業運営の現状
フットマーク株式会社が実施した全国1,445校を対象とした「水泳授業に関するアンケート」の結果、93.6%の学校が今年度水泳授業を行う予定であることがわかりました。この結果は、学校水泳の継続的な重要性を示すものと言えます。しかし、その実施方法や時期、場所についてはかなりの多様性を見せており、各校が試行錯誤しながら授業運営を行っていることも明らかとなりました。
水泳授業を実施する学校は93.6%
アンケートに応じた1322校のうち、93.6%が「水泳授業を実施予定」と回答しました。その内訳を見ると、学校外の施設(スイミングクラブや公営プールなど)を利用する予定の学校は15%にのぼり、これまでの自校プール依存から卒業しつつあることが浮き彫りになっています。特に学校プールの老朽化や維持費の問題が、外部施設利用の背景にあると見られています。
授業の開始時期は多様化
また、授業の実施時期に関しても変化が現れています。全体の約8割が「6月」に実施する意向を示している一方、29.5%が開始時期を昨年より早めると回答しています。この理由としては「年間スケジュールの関係」や「熱中症の懸念」が挙げられました。一方で、開始を遅らせる学校も存在し、その場合も同様にスケジュールや調整の問題が影響しています。
運営上の課題に直面
授業の運営上、課題は数多く指摘されています。「水質管理」「熱中症」「指導の難しさ」「見学者の多さ」といった問題が具体的に上げられており、特に見学者の問題は深刻です。見学の理由としては「泳ぎが苦手」や「水着姿に抵抗がある」など、心理的なハードルが大きな要因となっています。これに対し、学校では水着の夏季対策やジェンダー配慮型の水着を導入するなど、参加しやすい環境づくりに努めています。
男女共用セパレーツ水着の普及
昨年から導入が進められている「男女共用セパレーツ水着」は、性の多様性や身体への配慮から開発された新しい選択肢として、多くの学校に受け入れられつつあります。初年度は3校からスタートしましたが、2024年度には400校以上へと広がる見込みです。導入に関しては「体型を隠したい」「周囲の目が気になる」などのニーズがあり、従来の水着に比べて多様な目的で使用されています。
導入校の声
例えば埼玉県の公立中学校では、男女共用セパレーツ水着を採用し、「泳げないこと以外で水泳を嫌いになってほしくない」という考えからポジティブに取り組んでいます。特に生徒の心理的抵抗感を減らし、水泳授業に積極的に参加できる環境づくりが求められていることも理解できます。
今後の水泳授業に期待
「水泳」は全国の学校教育において重要な役割を果たしていますが、これからの時代には運営の柔軟性や生徒の気持ちに寄り添った授業がますます求められることでしょう。新たな水着の選択肢や授業スタイルの導入によって、全ての生徒が水泳を楽しむ環境が整えられることを期待しています。