背景と課題
相鉄グループは、1917年の設立以来、横浜地域に根ざし、運輸や流通、不動産など多様な事業を展開しています。2021年には長期ビジョン「Vision2030」を策定し、市場での競争力強化と持続的成長を目指しています。特に「グループ共通ポイント(相鉄ポイント)」の導入を契機に、データを最大限に活用する基盤の整備が求められるようになりました。
相鉄ポイントは2024年3月から始まる、相鉄グループの商業施設で利用できるポイントサービスです。顧客データを集約することで、より良いサービスの提供につながると期待されています。しかし、データが各社に分散しているため、一元管理が必須でした。その結果、相鉄グループはデータの統合を目的として、クラウドデータウェアハウス「Snowflake」を導入しました。これにより、データの可視化を行うBIツールの導入が急務となったのです。
SAS導入の決定因
相鉄グループでは、以前からダッシュボード型のBIツールを導入していましたが、利用者が必要な情報をスピーディーに取得することが困難でした。そのため、必要なデータを得るためには情報システム部門の助けを借りねばならず、時間もかかってしまいます。この課題を解決するため、ジールはユーザー中心のBIツール「ThoughtSpot」の導入を提案しました。
ThoughtSpotは自然言語検索機能が特徴で、ビジネスユーザーでも使いやすく、迅速な情報取得を可能にします。相鉄グループはこのツールに期待を寄せ、2024年7月にPoCを実施し、効果を確認しました。
導入後の効果
2024年11月にThoughtSpotが本稼働すると、相鉄ポイントの運営部門は「必要なデータを自分たちでさっと調べられる能力」を身につけました。これにより、以前はデータを活用していなかった部門でも、データを分析し施策に生かす動きが見られました。従来のツールに比べ、自分で簡単にグラフを作成し、ドリルダウンができることに高い評価が寄せられています。
相鉄グループは、今後もデータ活用を進め、成功事例を重ねていくことで人材育成と教育にも注力していきます。データとThoughtSpotをセットで提供し、グループ全体でのデータ活用プラットフォームを目指します。
まとめ
ジールは30年以上に渡るデータ活用の実績を持ち、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するパートナーとして、相鉄グループのビジョン実現に寄与しています。今後も、より多くの企業がデータを活用し、そのインサイトをビジネスに生かすことができるよう、引き続きサポートを行っていく方針です。