民具とアートの架け橋、秋田市の新プロジェクト
秋田市に新たな文化プロジェクトがスタートしました。NPO法人アーツセンターあきたが推進する「民具とアートとアーカイブの研究所」、通称「民具ラボ」がその舞台です。このプロジェクトは、民具やアート、アーカイブについて研究するネットワーク型の活動で、研究者や表現者、そして市民ボランティアが参加することで、地域の文化を新しい形で継承していくことを目指しています。
70年以上の歴史を持つコレクション
この活動の一環として、秋田市に住む91歳の収集家、油谷満夫さんが70年以上かけて集めた民具の一部が提供され、分類や整理作業が進められます。油谷さんのコレクションは、地域の生活文化の宝物とも言えるもので、その歴史を語る貴重な資料が多数含まれています。
2024年7月から定期的に開催されるこの分類整理活動は、8月4日から8月24日まで、秋田市文化創造館で第3回目を予定しています。イベントは公開されており、多くの市民が参加することが期待されています。
ボランティアの力で文化を再生
8月3日には、アーティストの藤浩志さんや國政サトシさんなどが中心となり、秋田市内の収蔵庫から民具を運び出しました。このプロセスでは、ボランティアも関与し、地域全体で文化の整理が行われています。分類作業が進む中、市民たちは自らの手で地域の文化を再発見し、その重要性を理解する場にもなるのです。
また、このプロジェクトでは、民具の活用にも力を入れています。過去の活動では、ボランティアのアイデアをもとに活版印刷機の修理や現像作業が行われ、さらには体操服に刺繍を施す試みも見られました。こうした活動は、単なる整理作業を越え、地域の文化遺産を生きた形で再生させるものです。
藤浩志と協力するアート活動
今回の分類整理活動では、アーツセンターあきたが主催し、公益財団法人野村財団から助成を受けています。市民ボランティアの募集も随時行われており、多様なアイデアや協力を通じて、活動を更に広げていくことが期待されています。
日程と場所
- - 日時:2025年8月4日(日)~8月24日(日)10:00~18:00(休館日:8月12日、19日)
- - 会場:秋田市文化創造館 2FスタジオA1(秋田市千秋明徳町3-16)
- - 主催者:NPO法人アーツセンターあきた
民具ラボの「分類整理活動」は、私たちが自らの文化や歴史を理解し、その大切さを知るための貴重な機会です。秋田市での新たな動きに、多くの人々が興味を持ち、参加することで、地域の文化がより豊かに育まれることを期待しています。