マイセックが新たに開発した高温ガスチューブヒーター
愛知県名古屋市に本社を構える株式会社マイセックは、次世代の人工知能(AI)向け半導体製造に特化した、高温ガスチューブヒーターを開発しました。この新製品の特徴は、従来の日本国内の半導体製造技術を一歩進化させ、250℃での精密な温度制御を可能にした点です。2025年1月からの販売を予定しており、今後、多くの注目を集めることでしょう。
AI用途の増加とその課題
昨今、AIの急速な普及に伴い、この技術に特化した半導体の需要が高まっています。これにより、AI向け半導体を製造する過程において、従来の製品では対応しきれない温度管理の課題が浮上しています。従来の半導体製造では、200℃の温度制御が求められていましたが、AI半導体の製造過程では、より高温の250℃が必要とされるためです。マイセックは、このニーズに応える形で新型ヒーターを開発しました。
技術革新とその利点
開発した高温ガスチューブヒーターの最大の特徴は、最高使用温度が300℃であり、用途に応じて温度管理ができることです。また、配管に各種ヒーターを後付けする従来の方法ではなく、新たに編み込む技術を導入しました。これにより、配管内部の温度ムラが低減し、高い均熱性を実現しています。この改善は、配管内のガスの結晶化を防ぎ、生産効率の向上にも寄与します。
省スペース設計と安全性
さらに、この新型ヒーターは軽量で断熱性に優れたエアロゲルを使用することで、断熱効果を高め、外径を35mmに抑えました。この設計により、省スペース化を実現しつつ、ヒーターの表面温度を80℃以下に保つことで、他の設備への熱影響を最小限に抑えることができました。これにより、使いやすさと安全性が大幅に向上しています。
初出展のイベント
この高温ガスチューブヒーターは、2023年12月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2024」に初めて出展されます。マイセックは、この製品を通じてAI技術の発展に寄与し、さらには社会全体の進歩に貢献することを目指しています。
製品の基本情報
この新製品の基本仕様は以下の通りです:
- - 電圧:100[V]
- - 電力:250[W]
- - 最高使用温度:300[℃]
- - 寸法:1.56m
- - 販売価格:オープン価格
- - 実用新案登録番号:3209680
会社概要
マイセックは、昭和50年に設立され、半導体業界において確固たる地位を築いてきました。代表取締役社長の間宮康博氏のもと、同社は7つの技術開発の理念を掲げつつ、常に革新を追求しています。
会社基本情報
この新たな技術革新が、AI向け半導体の未来を一層明るいものにすることを期待しています。