2025年7月28日、国際的なAIを活用した顧客体験のリーダー企業NiCE(NASDAQ:NICE)は、グローバル市場でトップに立つ会話型およびエージェント型AI企業Cognigyを買収する最終契約を締結したと発表しました。これにより、NiCEのCXプラットフォーム「CXone Mpower」とCognigyの先進技術が結び付き、企業はより迅速かつ効率的にAIをカスタマーサービスに導入できるようになります。この戦略的なアプローチは、フロントオフィスとバックオフィス間での一貫性と連携を強化し、顧客体験の分野におけるAI技術の浸透を加速させることでしょう。
NiCEのCEOスコット・ラッセル氏は、「この取引は当社にとって画期的な出来事であり、AIイノベーション戦略を新たな次元へと推進する」とコメントしています。彼は、業界トップの会話型AI技術を取り入れることで、グローバルにおけるAI導入の加速とともに、従来の顧客体験を一新する機会がもたらされることを強調しています。これによって、顧客やパートナー、株主に新たな価値を提供できると期待されています。
特にCognigyの主力商品であるCognigy.AIは、企業が人間に似たサービスを提供できるよう設計されています。このAIエージェントは、世界中の100以上の言語に対応しており、顧客に瞬時でパーソナライズされたサービスを提供します。これにより、ヒューマンオペレーターはより高付加価値な業務に集中できる環境が整います。Cognigyはすでに、メルセデス・ベンツやネスレ、ルフトハンザグループなどの名だたるブランドに採用されており、その効果は明白です。2026年には、同社の年間経常収益(ARR)が80%成長すると見込まれています。
Cognigyの共同創設者兼CEOであるフィリップ・ヘルツヴィヒ氏は、本取引がCognigyにとって重要なステップであり、顧客と従業員に多くの機会を提供することになると語っています。「NiCEの強固な展開力と専門性は、私たちの成長を促進する大きな力になります。共にお客様に信頼されるAI体験を提供し、顧客体験の未来を共に構築していく」と述べました。
この買収契約は、約9億5,500万ドルの評価額で全会一致にて承認され、取引には5,000万ドルの期間拘束型ホールドバックが含まれます。最終的な取引完了は2025年第4四半期を予定しており、報道によると米国証券取引委員会(SEC)の規制当局の承認が必要です。
NiCEは、すでに150か国以上で展開しているAIプラットフォームを持ち、顧客との相互作用を安全かつ効率的に自動化しています。これによって業界でのパフォーマンス向上を実現しており、カスタマーサービスや業務フローの連携を強化することが可能です。
この買収は、企業がAIを駆使して顧客体験を進化させるための新たな基盤を築くものであり、今後の展望に注目が集まるところです。今後も、NiCEとCognigyがもたらす革新に、多くの企業が期待を寄せていることでしょう。