VRアートとNFTの未来を切り開く新会社Zenesisの挑戦
昨今、VR技術とNFTが組み合わさることで、新たなアートシーンが広がっています。その中でも注目されるのが、VRソフト開発を手掛ける株式会社Zenesisの設立です。この新会社は、VRNFTアートの課題解決に取り組むことを目指し、Skyland Venturesなどから1800万円のシード資金を調達しました。
資金調達の背景と目的
最近のVRデバイスの普及に伴い、VR内での3Dアート制作が以前よりも身近になってきています。特に、Meta Quest2といった手頃なデバイスが登場したことで、多くの人がVR空間にアクセスし、自由にアートを創作できる環境が整いつつあります。また、メタバースの普及により、3Dコンテンツのニーズも急速に増加しています。一方で、NFTアートが高額で落札される事例も相次ぎ、アートマーケットの新たな潮流が見え始めています。
昨年の日本を代表するVRアーティストせきぐちあいみさんの作品が、約1,300万円でNFTマーケットプレスで落札されたことは、VRアートの商業的な可能性を引き出しました。しかし、その後はVRNFTアートの落札が続かず、VRアーティストの中にはNFTアートへの挑戦を躊躇する方が多いのが現状です。その背景には、VRアートをNFT化するプロセスの複雑さや、NFTマーケットプレイスでの3D表示の難しさがあると言われています。
Zenesisのビジョンと取り組み
Zenesisは、これらの課題を解決するために新たに「Snow Canvas」というVRアート制作ツールを開発しました。このツールにより、VRアーティストは簡単にNFTを発行できるようになり、また制作したアートをNFTマーケットプレイスでも3D表示できるため、作品の魅力を十分に伝えることが可能になります。これにより、優れたVRアーティストがより多くNFTアート出品に挑戦できることが期待されています。
Zenesisの創設メンバーは、メタバース上でのVRアート展示イベント「バーチャル雪まつり2022」の主催者でもあり、そこで触れた多数のVRアート作品から、VRアートの未来に可能性を感じたとのこと。彼らは、VRアートにのめり込んでいくアーティストと支援者の交流、創造を促すことをミッションに掲げています。特に注目されるのが、Zenesisの企業名には「新たな世界を皆で創世する」という意味が込められている点です。この理念を基に、VRとNFTの融合による新しい表現方法を模索しています。
出資者からの期待の声
Zenesisの設立を祝い、出資者からは期待の声が寄せられています。Skyland Venturesの木下CEOは、VRアートの制作過程やそのクオリティに驚かされ、Snow Canvasがクリエイターに新たな評価の場を提供することを見込んでいます。また、Arriba Studioの佐藤CEOも、Web3を活用した新世代のクリエイター支援に期待が寄せられると述べています。
まとめ
Zenesisが挑戦するVRアートとNFTの融合は、これからのアートシーンに新たな風を吹き込むことでしょう。これまでVRアートに関心があったものの、ハードルを感じていたアーティストたちが、Snow Canvasを通じて一歩踏み出す機会が増えることが期待されます。さて、この新しいプラットフォームがどのように広がり、VRアートの新たな可能性を引き出していくのか、今後の展開に注目です。
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