女性の管理職、85.7%が「就きたいと思わない」:実態調査から見えてきた課題と対策
近年、女性の活躍推進が叫ばれる中、企業は管理職に占める女性比率の公表を義務化される方向にあります。しかし、実際には女性の管理職比率はなかなか上がっていません。その現状を把握するため、ラグザス株式会社は20~50代の女性3000人を対象に、管理職に関する調査を実施しました。
調査の結果、85.7%の女性が「管理職に就きたいと思わない」と回答しました。特に50代ではその割合が89.1%に達し、年代が上がるにつれて意欲が低下している傾向が見られました。
管理職への意欲低下の理由:興味の欠如、責任とプレッシャー、ワークライフバランス
「管理職に就きたいと思わない」理由として、最も多かったのは「管理職に興味がない」という回答で、全体の36.2%を占めました。現代では、個人のスキルを磨く「ジョブ型雇用」が注目されており、責任の重い管理職よりも専門性を深めたいと考える女性が増えていると考えられます。
次いで、「責任を増やしたくない」が35.4%、「精神的なプレッシャーを負いたくない」が34.8%、「ワークライフバランスを重視したい」が30.2%と続きました。
これらの結果から、女性の管理職への意欲低下の要因として、以下のような点が挙げられます。
管理職への興味の欠如: 専門性を深めたいというニーズの高まりや、管理職に対する魅力を感じられない状況
責任とプレッシャーへの抵抗: 仕事量の増加や責任の重さ、精神的な負担への懸念
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ワークライフバランスの重視: プライベートの時間や家族との時間を確保したいという意識
女性の管理職比率向上に向けた課題と対策
調査結果から、女性の管理職比率向上のためには、以下の2つの観点からの改善が求められます。
1. 労働環境の改善
調査では、管理職に対するイメージとして「時間と労力がかかり、責任も重い割に給与に見合わない」という意見が多く見られました。これは、現管理職である上司の働き方を見てそう感じている人が多いことを示唆しています。
企業は、管理職の労働環境を見直す必要があります。残業や休日出勤を減らし、ワークライフバランスを重視できるような働き方を推奨することで、管理職への魅力を高めることが重要です。
2. 管理職そのもののアップデート
「管理職に興味がない」という回答が多かったことから、従来のようなマネジメントだけに特化した管理職ではなく、個人の成長に繋がる役割を託すことが必要です。
例えば、専門性を活かせるプロジェクトリーダーや、チームのモチベーター、育成担当など、個々の能力やキャリアビジョンに合わせた役割を担わせることで、管理職への意欲を高めることができるでしょう。
まとめ
女性の管理職比率向上は、賃金格差の解消や日本経済の発展に繋がる重要な課題です。今回の調査結果を踏まえ、企業は労働環境の改善と管理職そのもののアップデートに取り組むことで、より多くの女性が管理職を志望し、活躍できる環境を整備していく必要があります。