山崎元氏の遺作をオーディオブック化
AI音声サービス「CoeFont」を運営する株式会社CoeFontが、株式会社オトバンクと共に、経済評論家・山崎元氏の遺作をオーディオブックとして制作したことが報じられています。この作品は、山崎氏が生前に著した最後の一冊であり、彼の思想や感情をダイレクトに届けるために、AI音声技術を駆使しています。
アイデアの背景
山崎元氏は2024年1月に逝去しましたが、彼の作品には「お金と人生の本質」という深いテーマが掲げられています。オーディオブック化にあたり、ご遺族からは「本人の声で届けたい」という思いが寄せられており、文章を単に音声に変換するのではなく、著者自身が読者に語りかけているような体験を目指しました。そのためには、AI技術を通して山崎氏の声を忠実に再現する必要があるとされています。
CoeFontの技術的協力
CoeFont社は、このプロジェクトに無償で技術協力を行い、AI音声技術を用いて山崎元氏の独自の声質や話し方を反映した音声表現に変換しました。彼の声を人格の一部として尊重し、丁寧に扱う姿勢があったことが強調されています。同社は、商業的価値を優先するのではなく、文化や社会的意義を重視してこの取り組みに参加しています。
新たな表現の試み
「AI本人オーディオブック」として、この作品は新しい表現形式も模索しています。著者の人格や声の尊厳を保障しつつ、テクノロジーを活用することで、出版や音声コンテンツの未来を示す事例となるでしょう。
山崎元氏の言葉
山崎元氏の娘、山崎薫氏は、オーディオブック化による影響について語っています。彼女は、父の文体が明快で合理的である一方で、温かみもあったとし、AI音声でその語り口を再現できることに期待を寄せています。また、この新技術に対する戸惑いも理解しつつ、彼女はオーディオブックが聞く人々に幸せをもたらすことを願っています。
作品の詳細
オーディオブックのタイトルは『がんになってわかったお金と人生の本質』で、2026年3月5日より配信開始される予定です。山崎元氏は22年の夏に食道癌を患い、最期に至るまでの考えや意思決定の記録を本書に記しています。癌に関する情報の取捨選択や生き方についてのメッセージが込められており、彼の未公開の絶筆「癌の記・裏日記」も特別収載されています。
今後の展望
CoeFontは今後も、声の尊厳を守りつつ、話者や著者の想いを正確に届けることに注力していくと述べています。出版や文化、教育におけるAI音声技術の新たな活用方法を追求が行われるとのことです。
CoeFontについて
株式会社CoeFontは、2020年に設立された東京科学大学認定ベンチャーで、倫理的で包括的なAI音声プラットフォームの開発に取り組んでいます。彼らのプラットフォームは、標準的なText-To-Speech(TTS)機能のほか、リアルタイムの多言語コミュニケーションを可能にするサービスも提供しています。これらを通じて、誰もが自由に「声」で表現できる未来を実現しようとしています。
詳細については、
CoeFontの公式ウェブサイトをご覧ください。