《猛暑を吹き飛ばす!《ブロードウェイ舞台の名作『ガイズ&ドールズ』が登場
通常、夏の厳しい暑さにうんざりすることがありますが、そんな時におすすめしたいのが、デイモン・ラニアンの短篇集『ガイズ&ドールズ』です。この作品は1930年代のブロードウェイを背景に、多様な人間ドラマが描かれています。名手によるオリジナル版短篇集が忠実に邦訳され、今まさに読むべき一冊となっています。
特に注目すべきは、2022年に井上芳雄や明日海りおといった人気演者によるミュージカル公演が、東京の帝国劇場で実現したこのタイトルです。また、本作は元々宝塚月組の公演で知名度が高く、さらにマーロン・ブランド主演の映画『野郎どもと女たち』の原作としても記憶に残る作品です。
ラニアンの短篇『ミス・サラ・ブラウンの恋の物語』が、この舞台版の基盤を成しており、他の作品のキャラクターを交えたことで非常に豊かで多様な物語が形作られました。その短篇集『ガイズ&ドールズ』には、ラニアンが描く小悪党たちと彼らに関わる美女たちとの人間喜劇が、全14話という形式で詰まっています。
本作には、賭けごとに魅了されたギャンブラーが、清潔な心を持つ布教活動に従事する女性に一目惚れするという物語も含まれており、このように魅力的なキャラクターが多数登場することで、作品全体が一層引き立っています。ラニアンはジャズ・エイジを象徴する作家であり、その作品には独特のリズムや雰囲気が息づいています。
【著者について】
デイモン・ラニアンは、1898年にアメリカ・カンザス州で生まれた作家兼新聞記者です。ニューヨーク・ブロードウェイを舞台にした短篇小説を数多く発表し、彼の作品は映画化や舞台化されることも多いです。1967年には野球報道の権威ある賞、J・G・テイラー・スピンク賞を受賞し、1994年には彼の名を冠した賞が創設されました。ラニアンは1946年に亡くなるまで、短篇小説の世界に多大な足跡を残しました。
翻訳を担当した田口俊樹氏は、数多くの著名な作品の翻訳に携わっており、ラニアンの作品を日本の読者に届けるための重要な役割を果たしています。成田で生まれ、早稲田大学を卒業した彼は、幅広いジャンルでの翻訳で知られています。
『ガイズ&ドールズ』は31篇もの短篇が収録された、この名手の初の作品集であり、オリジナルの目次がそのまま反映されています。本邦初の試みとなるこの邦訳は、多くの読者に新たな感動をもたらすことでしょう。
【書籍情報】
- - タイトル: ガイズ&ドールズ(新潮文庫刊)
- - 著者: デイモン・ラニアン/田口俊樹訳
- - 発売日: 2024年5月29日
- - 定価: 935円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-220702-4
- - 詳細URL: 新潮社
この作品を手に取れば、猛暑を忘れ、ブロードウェイの舞台を旅するような体験ができることでしょう。