唾液の免疫たんぱく質を活用した新しい体調管理技術
株式会社ユーフォリアと株式会社イムノセンスが手を組み、アスリートのための画期的な体調管理システムを開発しました。このシステムは、2025年の夏になると提供が開始される予定です。その特徴は、唾液中に含まれる免疫たんぱく「sIgA」を用いて、選手の健康状態を可視化することにあります。これにより、プロのスポーツチームや大学の運動部において、感染症予防やけがの予防に取り組むことができるようになります。
背景と開発の目的
アスリートの体調管理には、これまで血液採取といった侵襲的な方法が主流でした。しかし、この方法では選手に負担がかかったり、結果を得るのに時間がかかることが多く、リアルタイムでの評価が難しいという問題がありました。これを踏まえ、唾液に含まれるsIgAに注目し、イムノセンスの開発したデバイスを使用して、約10分でその濃度を測定できるようにしました。
このデータはユーフォリアのデータマネジメントシステム「ONE TAP SPORTS」と統合され、ダッシュボードで表示されることになります。このシステムを使用することで、アスリートやトレーナーは体調の変化に迅速に対応することが可能となります。この仕組みにより、より精度の高いトレーニング計画やけが予防が実現し、選手のパフォーマンス向上に寄与することが期待されます。
今後の展開
「ONE TAP SPORTS」と「GLEIAセルフチェックsIgA」が連携するこのサービスは、2025年の夏に始まる予定ですが、現在は大学の駅伝部での試験的導入が進められています。今後は、中学や高校、大学の運動部、さらにはプロチームにも導入されることを目指しています。これにより、スポーツ界での健康管理やパフォーマンス向上の新たな指標が確立されるでしょう。
sIgAについて
sIgA(分泌型IgA)は、唾液に含まれる免疫成分で、身体をウイルスや細菌から守る重要な役割を果たします。運動やストレスによってその分泌量が低下するため、体調の変化を知る指標として注目されています。この情報をもとに、トレーニングや健康管理に役立てることが可能です。
GLEIAとは
GLEIA(グライア)は、イムノセンスが開発した革新的な免疫測定デバイスです。このデバイスは、Gold-Linked Electrochemical Immunoassay(ゴールド結合電気化学免疫測定法)を用いており、手のひらサイズでありながら高感度な測定が行えることが特長です。このような画期的な技術により、選手の健康をより科学的に管理することが可能になります。
公開イベント
この新しいサービスは、2025年に開催予定の「スポーツチーム・アスリート向け総合展 2025 —Japan Sports Week—」で初めて一般公開される予定です。視界に入ったら、ぜひ足を運んでみてください。各地での健康管理やパフォーマンス向上に向けた取り組みが進む中、この新技術がどのように役立つかが注目されます。
企業情報
ユーフォリアは、スポーツテクノロジーを駆使し、アスリートの健康やパフォーマンスを向上させる事業を展開しています。イムノセンスは、高度な医療機器を開発するスタートアップとして、確固たる地位を築きつつあります。これらの企業の連携によって誕生した新サービスは、スポーツ界に新たな風をもたらすことでしょう。