日本のSNS投稿の信頼度と購買行動についての調査結果

日本のSNS投稿の信頼度と購買行動に関する調査

SNSが私たちの日常生活にっとも深く浸透してきた現代、特に購買行動に影響を与える「SNS投稿」がどれだけ信頼されているのかを知るための調査が、hotice株式会社（本社：東京都渋谷区）によって実施されました。この調査結果が示すのは、信頼性の高い投稿形式を理解し、いかに活用していくかが、今後のマーケティング戦略においてますます重要になるということです。

調査概要

本調査は、国内在住のSNSユーザー163名を対象に行われ、信頼度や購買行動に対する影響力を定量的に可視化しました。特に、投稿形式ごとの「信頼されやすさ」や「購買行動への影響」を訴求した結果は、今後のSNSマーケティングの設計に寄与するものと考えられます。調査は2025年6月に実施され、合同会社RASA JAPANが協力を行いました。

調査の背景と目的

SNSは情報収集の主要な手段となり、企業が行う投稿が消費者の購買行動に直接影響を与えつつあります。しかし、一体どのような投稿形式がより信頼され、行動を促すのかは未だ確定的な答えがないのが現状です。特に、広告感が強い投稿にはユーザーの反応が二極化するため、PR戦略では“見せ方”が非常に重要になってきています。

本調査は、ユーザーが信頼できると感じる投稿形式や行動に結びつくコンテンツの特徴を明らかにし、SNS広告やPR施策の改善に役立てることを目的としています。

主な調査結果

最も信頼される投稿形式は「動画」

調査の結果、最も信頼されている投稿形式は「動画」であることが明らかになりました。回答者の51.8%がレビュー動画や使い方紹介動画を最も信頼できると答えたのです。この数字は静止画やテキスト投稿と比較して圧倒的に高く、動画がSNS広告において信頼の中心的な役割を果たしていることを示します。動画が好まれる理由は、使用状況や質感、動作を詳しく見せられるため、信頼を形成しやすい点です。

一方で、静止画やテキスト投稿はそれぞれ10.4%と8.5%の支持を得ており、ユーザーは視覚的な体験を重視している傾向が見受けられます。

信頼されない投稿形式の影響

調査の中で、特に信頼できる投稿形式がないと回答したユーザーも存在し、その割合は29.3%にのぼりました。この結果は、SNSに対して広告的な意図が見えすぎると、ユーザーが警戒心を抱くことを示唆しています。どの投稿形式でも、誠実さや共感を伴うことで、信頼をより深く築ける可能性があるのです。

投稿が引き起こす行動

ユーザーがSNS投稿を受けて実際に行った行動を調査したところ、38.4%が「商品を購入した」と回答しました。動画はその中で最も影響力の高い投稿形式であり、行動を引き起こす手段として非常に効果的であることが確認されました。さらに、動画は「購入」だけでなく、「関連投稿の検索」や「Googleでの検索」といった行動にも寄与しており、長期的な情報探索にも一役買っているようです。

コンテンツ設計の重要性

現在のSNSマーケティングでは、動画の重要性はますます増していますが、単に動画を使用するだけでは不十分です。重要なのは、どのように動画を設計するかであり、ユーザーの共感を得やすい構成や演出が求められています。特に「使ってみた」や「日常紹介風」の動画が好まれる一方で、過剰な演出は逆に不信感を招く可能性があります。

これからの広告戦略においては、ユーザーが自然に感じ、共感できるようなコンテンツ作りが鍵となります。動画であっても、そこに「売る意図」が見えすぎると逆効果になることが多いため、より人間的なアプローチが求められることでしょう。

結論

SNS投稿の信頼と行動を生み出すための最も効果的な形式は「動画」であることが明確となりましたが、その設計や内容は常に見直す必要があります。“広告っぽさを抑えた動画”を制作することが、今後の成功のカギとなるでしょう。信頼を築くためには、情報を過剰に見せず、誠実な体験を共有することが求められています。これが、企業とユーザー双方に満足をもたらす新しいSNSマーケティングの戦略となるのではないでしょうか。