奈良県フォレスターアカデミーが、2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。この賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催するもので、日本国内における優れたデザインを表彰する制度です。
受賞した「次世代フォレスター育成プラットフォーム」は、平成23年の紀伊半島大水害をきっかけにスタートした新たな森林管理の試みです。この取り組みは、画一的な森林管理から脱却し、「適地適木・適地適業」という考え方を根底に据えた実践を目指しています。このプラットフォームでは、官民が協力して学ぶ「官民共学モデル」を導入し、専門職が不在だった市町村でも持続可能な森林管理を実現します。
具体的には、アカデミーにおいて行政職員と民間事業者が同じ場で学び、「共通の視座」を持つことができるように教育プログラムが設計されています。また、県が一括して専門職を採用し、各市町村に派遣することで、専門知識を持つ人材を現地で育成する仕組みも整っています。さらに、卒業後も地域の施業計画を支援し合う共創デザインが重要な要素として機能しています。
グッドデザイン賞の審査員からは、各地の森林資源を有効に活用するためには、行政職員と民間の担い手が同一の問題意識を持つことが必須だとの評価がありました。これを実現する教育プログラムは非常に画期的とされています。今後も自然災害の激化や温暖化の影響が懸念される中、継続的に現場からのフィードバックを受けて、より質の高い学びを追求していくことが強調されました。
受賞を契機にフォレスターアカデミーは、奈良県だけでなく全国に向けて持続可能な森林管理のモデルを発信していきます。この取り組みを通じて、これまでの構造的な課題を解決し、地域社会全体での森林管理の向上を図ります。
実績としては、累計72名の次世代フォレスターを輩出しており、これが15市町村に展開されています。この社会実装モデルは多くの林政関係者から注目を集めており、今後の持続可能な森林管理の実現に向けた期待が高まっています。
また、グッドデザイン賞の展示イベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2026」では、この取り組みが紹介される予定です。利用者や林政に興味を持つ人々にとって、このモデルの成功は地域の森林再生に欠かせない要素となることでしょう。
奈良県フォレスターアカデミーは、スイスのフォレスター制度を模範とし、これからの時代に必要な森林環境管理を担う人材を育成することを目的として設立されました。地域と密接に連携しながら、森と人が共生する社会への道を切り開くプロフェッショナルの育成を目指しています。今後もその取り組みから目が離せません。
詳しくは奈良県フォレスターアカデミーの公式ホームページをご覧ください(https://nfa.ac.jp/)。