インターネット通信の新たな未来へ向けた実証実験
株式会社Jストリームは、2025年4月から株式会社朝日ネットおよび株式会社ファイバーゲートと共同で、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)技術を利用したインターネットトラフィックの分散に関する実証実験を開始します。この実験は、急増するデータ通信量への対応と東京圏と地方の通信遅延の改善を目的としています。
実証実験の背景
近年、インターネットの利用が急増し、特に動画ストリーミングサービスやオンラインゲームなどが普及したことにより、データ通信量は著しく増加しています。このため、効率的にデータを管理し配信するための新たな通信アーキテクチャの実証が必要とされていました。この実証実験は、データ通信の最適化を目指した重要な取り組みの一つです。
目的
この実証実験では、主に次の2つの目的があります:
1. データ通信量の増大を考慮した通信アーキテクチャの検証。
2. 東京圏と地方間でのデータ圧縮及びパフォーマンス向上を目指します。特に、都市圏に集中するデータセンターの現状を踏まえ、地方ユーザーへの通信改善策を検討します。
実証実験の具体的内容
実験は小型キャッシュサーバーの開発から始まります。このサーバーは、株式会社ファイバーゲートが管理する建物内ネットワークに設置され、小規模キャッシュシステムが構築されます。このシステムを通じて、東京圏と地方間のデータ通信抑制と配信パフォーマンスの検証が実施されます。これにより、今後の改善策やシステムの信頼性、負荷分散、通信遅延などの貴重な知見が得られることが期待されています。
実施期間と体制
実証実験は2025年4月に開始され、以下のような体制で進められます。
1.
小型キャッシュサーバーの開発・ネットワーク提供・運用: 朝日ネット(VNE事業者)
2.
設置スペース・電力・ネットワーク提供: ファイバーゲート(ISP事業者)
3.
ソフトウェアの開発・提供およびオペレーション: Jストリーム(CDN事業者)
このフローを通じて、システムの精度と性能を全体的に評価し、次世代のコンテンツ配信に役立てることを目指しています。
各社の紹介
- - 株式会社朝日ネット: 1990年設立。インターネット接続サービス「ASAHIネット」の運営を行い、関連サービスの開発・販売に力を入れています。
- - 株式会社ファイバーゲート: 2000年設立の独立系Wi-Fiソリューション企業。賃貸物件向けから商業施設向けまで幅広くサービスを展開しています。
- - 株式会社Jストリーム: 1997年設立。動画配信に特化した事業を展開し、年間1,200社・10,000件以上のプロジェクトを支援しています。
この実証実験が成功すれば、インターネット通信の新たな可能性を切り開く礎となるでしょう。各社の取り組みが、今後のテクノロジーと通信の在り方に良い影響を与えることが期待されます。