国内初の水素燃料旅客船『HANARIA』が受賞
商船三井テクノトレード株式会社が開発した国内初の水素燃料を使用した旅客船『HANARIA』が、2024年度の「シップ・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。この賞は技術、芸術、社会性に優れた船舶と海洋構造物を表彰するもので、日本船舶海洋工学会が1990年から実施しています。今回で35回目の開催となるこの賞は、海運業界において非常に重要な意味を持ちます。
HANARIAの特徴
『HANARIA』は、水素燃料電池、リチウムイオンバッテリー、バイオディーゼル発電機という3つの電源を搭載したハイブリッド船です。この構造により、水素燃料電池とリチウムイオンバッテリーを合わせて使用し、ゼロエミッションでの航行が可能です。さらに、バイオディーゼル発電機も装備されており、航行の際に必要に応じて異なる電源を使い分けることができます。
この技術の評価は高く、特に環境への配慮や新しい航行の可能性を感じさせる設計が高く評価されました。商船三井グループの運航船がシップ・オブ・ザ・イヤーを受賞するのは、2023年にウインドチャレンジャー搭載の石炭輸送船『松風丸』と、日本初のLNG燃料フェリー『さんふらわあ くれない』が受賞して以来のことです。
環境ビジョンに基づく取り組み
商船三井は「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」において、2050年までのネットゼロ・エミッションの達成を目指しています。このビジョンに基づき、風力活用やクリーン代替燃料の導入など、様々な環境保護の取り組みを推進しています。
同グループは、世界最大級の船社として培った経験とノウハウを活かし、海運に関わる分野はもちろん、幅広い社会インフラ事業やサービスを展開しています。『HANARIA』を通じて、よりサステイナブルな未来を築き、グローバルな社会インフラ企業へと成長していく所存です。
未来への期待
『HANARIA』の受賞は、環境に優しい未来の海運を支える重要な一歩になるでしょう。この旅客船の運航により、海の旅がますます快適で安全なものとなり、多くの人々に愛される存在になることが期待されています。
今後も、商船三井は新たな技術やサービスを開発し、青い海から人々の生活を支え、豊かな未来を提供することを目指していきます。全てのステークホルダーに新たな価値を提供するために、より一層の努力を重ねていくことでしょう。