近藤史恵の原点『凍える島』新装版が登場
近藤史恵さんのデビュー作『凍える島』が、新装版として創元推理文庫から9月19日に発売されました。 近藤さんは、人気シリーズとして知られる『ビストロ・パ・マル』や自転車ロードレースを題材にした『サクリファイス』など、多岐にわたる作品でファンを魅了しています。新装版の『凍える島』は、装画を飯田研人さん、装幀を鈴木久美さんが担当し、杉江松恋さんの新解説が付いています。
作品のあらすじ
物語の舞台は、瀬戸内海に浮かぶ無人島。喫茶店〈北斎屋〉の店長・野坂あやめとその常連客8人が、この場所を訪れることになります。この島は、かつて新興宗教の聖地として知られていた場所で、何かしらの魅力を秘めています。彼らが島に到着して間もなく、密室状況で一人が殺されるという衝撃の事件が発生します。
この出来事によって、旅行者たちは不安と疑念に苛まれ、さらなる犠牲者が出ることに。この緊迫した状況の中、彼らはどのようにして真実にたどり着くのでしょうか。霧に包まれた孤島に生じる緊張感と、複雑な人間関係が物語に彩りを添えています。
近藤史恵の作家プロフィール
近藤史恵さんは、大阪で生まれ、大阪芸術大学で文芸を学びました。1993年にデビュー作『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞。以来、彼女はサスペンスやスポーツ小説、さらには料理をテーマにした作品など、多様なジャンルで執筆を続けています。特に人間の心理を鋭く描く描写力が評価されており、皆に親しまれています。
彼女の作品は幅広く、最近では『ホテル・ピーベリー』の新装版が話題となりました。このたびの『凍える島』新装版も、彼女の別ジャンルでの成功を示す一端となるでしょう。
書誌情報
新装版『凍える島』は、創元推理文庫から発売され、280ページ、ISBNは978-4-488-42707-8です。定価は858円(税込)で、推理小説ファンや近藤史恵の作品を初めて読む方にもおすすめの一冊です。
本作では、多彩な登場人物の心の動きや、無人島という独特の設定が織り交ぜられており、読み進めるうちにミステリーの奥深さを感じることができるでしょう。ぜひ手に取って、その世界に浸ってみてください。近藤史恵の原点を堪能するチャンスです。