乳牛の乳房炎を迅速に特定する新技術
旭化成株式会社(東京都千代田区)は、乳牛の乳房炎原因菌を迅速に検出する技術を開発し、この技術をエア・ブラウン株式会社(東京都中央区)とともにライセンス提供を開始しました。この取り組みは、酪農業界における乳房炎検査の課題を解決し、経済的損失の削減に寄与することを目指しています。
酪農業界の課題
乳房炎は乳牛における一般的な感染症であり、これが原因で牛乳の品質低下や乳量の減少が発生します。全世界では、この感染症によって年間約130億米ドルの経済損失が発生していると言われています。乳房炎の治療を行うためには、原因となる菌を特定することが必要ですが、従来の検査方法は時間がかかり、迅速な対応が難しいという課題があります。
新技術の概要
旭化成の新しい技術は、幅広い細菌種に対応する抗体ラインナップと、多様な検体に対応する検査キット化ノウハウに基づいています。この技術を利用することで、酪農家は専門的な知識がなくても、乳汁中の細菌をわずか1時間で簡単に識別することができるようになります。これにより、乳房炎の罹患牛に対する迅速かつ適切な治療方針が策定可能となり、経済損失の軽減が期待されます。
ライセンス契約の内容
今回のライセンス契約では、旭化成は契約一時金に加えて事業化後の販売額に応じたロイヤリティを受け取る権利を有します。また、特許使用権の許諾に加え、独自のノウハウを提供することで、エア・ブラウン株式会社による早期の事業化を支援します。
未来に向けた取り組み
旭化成は「変わる未来のはじまりを。」を理念に掲げ、無形資産の価値を社会に提供することを目指しています。この新技術の提供により、酪農業界における細菌検査を迅速かつ簡便にし、適切な衛生管理に貢献することを期待しています。今後も旭化成は、共同作業を通じて新しい事業の創出を推進していく方針です。
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