ポーラ化成工業、複合型クリームの感触変化を自在に操る新技術開発!
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社は、複合型クリームにおける感触変化を自在にコントロールする新技術を開発しました。
この技術は、横浜事業所に新設されたテクニカルディベロップメントセンター(TDC)の新乳化装置を活用し、乳化滴の壊れやすさを調整することで、肌への塗布時の感触変化を段階的に実現することを可能にしました。
より高度な感触を求めて: 複合型クリームの可能性
化粧品業界では、肌への塗布時に柔らかくほぐれるような感触と、その後は引き締まったような感触、といった相反する感触を同時に実現することが求められます。
ポーラ化成工業は、こうした要求に応えるために、複数の種類の乳化滴が共存する「複合型クリーム」に着目しました。このタイプのクリームは、それぞれの乳化滴の壊れやすさや成分の放出タイミングを調整することで、段階的な感触変化を生み出すことができると考えられています。
課題: 多相エマルションの壊れやすさ
しかし、複合型クリームの中でも、特に「多相エマルション」と呼ばれる、乳化滴の中にさらに小さな乳化滴が内包された構造を持つクリームにおいては、乳化滴の壊れやすさをコントロールすることが困難でした。
一般的に、乳化滴は大きければ大きいほど壊れやすい傾向があり、多相エマルションは内側に乳化滴を持つため、小さくすることが難しく、結果として壊れやすい構造となっていました。
TDCの新乳化装置: 壊れやすさをコントロールする革新
この課題を解決するために、ポーラ化成工業はTDCに新たに導入した乳化装置を活用し、多相エマルションの粘度を高め、強度を持たせる製法を開発しました。
この新製法により、多相エマルションを壊れにくくすることが可能となり、乳化滴の壊れる順番をコントロールできるようになりました。これにより、より繊細な感触変化を設計することが可能となり、従来では実現できなかった高度な感触を実現することが期待されています。
今後の展開: より精緻な化粧膜設計へ
ポーラ化成工業は、この新技術をさらに発展させ、より精緻な化粧膜の設計および実現を目指していきます。
この技術は、化粧品業界における感触設計の新たな可能性を開くものとして期待されています。