AI技術で進化するペットショップ業界、Parascanの革新性とは

AIがもたらすペットショップ業界の変革

有限会社Coo&RIKUは、ペットショップ業界で初めてAIを活用した検便支援システム「Parascan」を開発しました。この画期的なシステムは、繁忙なペットショップにおける検便作業の効率を飛躍的に向上させることを目的としています。

背景にある「ジアルジア感染症ゼロ」ミッション

Coo&RIKUは、子犬や子猫の健康を守るため、「ジアルジア感染症ゼロミッションプログラム」を掲げています。近年、繁殖場由来のジアルジア発生率は45%、通常のペットショップでも29%に達するという調査結果があります。しかし同社の独自の駆虫プログラムにより、発生率はわずか6%にまで低下しました。この成果をさらに進化させるべく、新たに「Parascan」の開発に取り組むことになりました。

「Parascan」は、専用の顕微鏡を使用して撮影された糞便の画像や動画をインターネットを介してアップロードし、それをAIエンジンが解析することで、寄生虫の検出を行います。具体的には、コクシジウム、ジアルジア（シスト・栄養型）、トリコモナスといった寄生虫を特定します。2025年6月9日現在の学習モデルを使用した場合、各寄生虫の検出率はコクシジウムが95%、ジアルジア（シスト）が90%と、高い精度を誇ります。

Parascanの機能と利点

Parascanは従来の検便作業を大きく変革します。専門のスタッフが必要なく、誰でも簡単に検便が可能になるため、属人化を防ぎつつ一貫した品質の検査が期待できます。また、寄生虫感染の早期発見が可能になることで、ペットの健康を守るリスクを大幅に軽減することができます。

さらに、多数の検体を短時間で処理できるため、スタッフの負担も軽減され、業務効率が向上します。なお、AIによる解析結果は獣医師による最終判断を補助するものであり、診断そのものは置き換えるものではありません。これにより、獣医師の判断に基づく安心感も提供されます。

未来に向けた展望

2025年6月16日から社内5拠点での実証実験が開始され、その後7月1日から正式運用が予定されています。Coo&RIKUグループは、今後も最新の技術を駆使してペットショップ業界の新常識を生み出し、ペットとその飼い主の生活向上に貢献していくことを目指しています。

「Parascan」の導入は、ペット業界における新たな基準を作り出すことでしょう。このシステムは、ペットショップにおける感染症管理の進化を促進し、多くのペットの健康を守るための重要な役割を果たすと言えます。今後の展開に注目です。